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褒めて育てれば頭脳が成長し、叱って育てれば頭脳が退化する  2022年11月12日  No.4566
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●動画:https://youtu.be/PC5YxjfiwRE

 厳しいお母さんのもとで厳しく育てられた子は、低学年のころは成績がいいのです。
 しかし、学年が上がってくるにつれて、伸び悩んでくるように見えます。
 その理由は、叱られた分だけ頭脳が萎縮してしまうからだと思います。

 特に、夜寝る前に叱るのは、子供の肉体的な成長にとってもマイナスになります。
 もし、夕方叱ることがあっても、夜寝る前にはその倍ぐらい楽しく褒めてあげることが大切です。

 叱るというのは、親がまだ未熟だからです。
 悪いのは子供ではなく、これまでそういうふうに子供を育ててきた親の方だと自覚することが大切です。

 社会で名を残した人で、母親が厳しかったということはあまり聞きません。
 逆に、母親は無条件に優しかったという人が多いのです。

 例えば、野口英世の母がそうです。
 無学であっても、英世のことをこころから愛して育てていました。
 母からの手紙を見ると、そのことが感じられます。
 英世自身も、母親を心から尊敬していました。

▽母から英世あての手紙


 昔、作文の一斉体験学習で、「たとえを使ってみよう」という課題を出すことがありました。
 「お母さんは」と書くと、ほとんどの子が「おにみたい」と言いました(笑)。
 「お父さんは」と聞くと、「ゴリラみたい」とか、「かいじゅうみたい」とか言う子が多く、こちらはバラエティに富んでいました。

 もちろん、これはみんな冗談ののりで言っていたのでしょうが、私は、最初、そういう母親のたとえの答えを聞いたとき、意外に思いました。
 母は、優しいのが普通だと思っていたからです。
 しかし、今の母は、子供から鬼みたいと思われていることが多いのです。

 では、なぜ母が鬼みたいになったのかというと、それは、今の競争社会の中で子育てをしているからです。

 もちろん、子供のしつけに関しては、母も父も、鬼のようになっていいのです。
 そういう場面は、滅多にありませんが、しつけは、社会生活を送るために必要なことだからです。

 しかし、競争社会で生き残ることを目的にすると、叱り方が、人に負けないように叱るということになってきます。
 その叱り方は、歪んだ叱り方です。
 そして、そういう叱り方は、日常化することが多いのです。

 子育てでいちばん大事なことは、子供が幸福を感じる時間を長くすることです。
 未来の準備のために、苦しい時間を我慢することではありません。

 そういう幸福な子供時代を過ごした子ほど、将来の社会生活でも自分らしい幸福を感じながら生きていくのだと思います。

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