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どんな本を読んだらいいか(その3)  2009年4月19日  No.458
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 読む時間を確保することは、読書における食わず嫌いを克服することにもなります。
 本は、子供の見えるところにただ置いておくだけでは読むようになりません。これは、昔と違うところです。子供の生活は、昔に比べて魅力的なメディアが豊富にあるので、難しいあるいはつまらなそうに見える本は、置いておくだけでは決して自然に読むようにはならなくなっているのです。
 したがって、読書は本来、趣味で読むものですが、子供に読書の習慣がつくまでは、勉強として必ず読ませるという取り組みをする必要があります。苦痛であっても毎日50ページ(5年生以上の場合)読むという習慣を続けることによって、次第に読む力がつき読書が好きになっていきます。もちろん、難しい本の場合は、最後まで読み続けることができなくてもかまいません。とりあえず、1日50ページ読んでみて、子供がどうしても面白さを感じられないならば、その1日だけでやめてもいいのです。この程度の強制であれば、無理に読ませて読書嫌いになるということはまずありません。逆に、無理に読ませて読む力をつけるからこそ、読書の面白さに目覚め、読書が好きになっていくのです。

 何を読むか、どう読むか、ということの次に、何を読まないかということも併せて考えておく必要があります。
 雑誌、漫画、絵本、学習漫画、図鑑などはもちろん読んでいいものですが、毎日の読書としては扱わないと考えておくといいと思います。つまり、毎日50ページ以上本を読むと決めたときに、その本を図鑑や学習漫画でもいいということにはしないということです。絵本とは、絵の部分が文章の部分と同じかそれ以上ある本ということを基準にするといいと思います。なぜこれらを読書と見なさないかというと、これらの本は、読むよりも眺めるという読み方になることが多いからです。もちろん、これからの本は趣味としていくらでも読んでいいのです。しかし、読書の勉強としては扱わないということです。
 また、現在は、子供にとって魅力的な遊びの手段がとても多くなっている時代です。これらの遊びは、ある制限の中で楽しむという環境を作らないと、読書の環境がつくれなくなります。例えば、漫画がいつでも手に届くところに置いてあるという環境では、惰性で漫画を読むという生活になりがちです。漫画はもちろん読んでもいいのですが、読んだあとは、簡単に手の届かないところにいったん片付けるという習慣をつけておくことが大切です。テレビやゲームやインターネットは、時間を区切って遊ぶというようなやり方をしなければ、これも惰性でいつまでも続けるという習慣になってしまいます。

 読書についてよく親が、「本でも読みなさい」というような言い方をすることがあります。このような言い方では、子供は本を読むようになりません。読書の大切さということを親が子供に向かって心からしみじみと話すようにすれば子供も素直に話を聞きます。これは読書に限らず、勉強や生活習慣すべてについて当てはまります。親が真面目に一生懸命心からしみじみと話すことは、必ず子供の心に届くからです。
(おわり)

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