読解検定2月の問題について、質問がありましたので、解説をします。
https://www.mori7.com/dokken/index.php?yama=wape&gakunennjunn=10&tuki=02&from=morion
○ A 「同じ」世界を「上に上ろうと」するという意味は、概念を抽象化するということである。
○ B 一期一会とは、「違う」世界を見ようとする発想である。
Aが○なのは、ちょっと難しいですが、次の文が根拠です。
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「同じ」を繰り返して階層をつくる一神教的世界に対して、「違う」感覚世界と「同じ」概念世界を往復するだけで、「同じ」という世界を「上に上ろうとしない」日本人は、珍しい存在ではないのか。
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つまり、「同じ世界を上に上る」とは、多様な虫の一匹一匹ではなく、ある種類の「セミ」とか、更には「虫」とか、更に抽象化すると「生き物」とかいうふうに、概念の上で抽象化していくことだからです。
Bが○なのは、かなり難しかったと思います。
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「違い」は感覚世界に由来する。それなら感覚世界をたえず「脳裏に存在させなければならない」。それぞれ違ったものこそが、真の意味での「現実」である。
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この文の内容を敷衍(ふえん)すると、一期一会とは、1回限りの違う現実であって、抽象化してまとめられるような出会いではないということです。
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