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曇りを取る教育(その1)  2009年5月2日  No.475
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 現在の教育の問題は、教育の方法が複雑化しすぎているところにあります。
 この複雑化というのは、教育以外の分野にもあります。近代の医療は、特定の現象に名前をつけて特定の対策をセットにする形で問題の解決を図ってきました。これは、デカルトの「問題点を細分化して考える」という分析の方法で、これが有効な時代も確かにありました。しかし、現在はその弊害の方が大きくなっているように思います。
 というのは、医療において、医学が発達し、治療法が改善され、病名や原因などがより詳しくなっているにもかかわらず、ある時期から病人が減らなくなってきたからです。現在ではむしろ、医療費の上昇に反比例する形で病人が増えている感じさえあります。
 教育においても、様々な教材が開発され、様々な教育方法が生まれていますが、ある時期から、子供たちが賢くならなくなったようです。そのうち、教育費の上昇に反比例する形で学力低下が広がっていくのではないかと思います。
 これらの原因の根本にあるのは、複雑化です。教育では、細かい教科や単元に分ける教え方でなく、もっと学問の根本に立ち返る必要があるのです。いわば、ソクラテスやプラトンの時代の学そのものを学ぶというような姿勢を見直す必要があるのではないかと思います。もちろん、人によって得意な分野や好みの分野を研究することは大切ですが、その前提として、総合的にあらゆる分野に精通しているということが必要なのではないかと思います。
 教育の複雑化というのは、年々、教科書に盛り込まれるべき内容が多くなるというところにも見られます。大学でも、細分化された隣接分野で対話が困難になるというような状況が生まれているそうです。しかし、これはやはり不自然なことです。学問の複雑化に人間が対応できないのは根本的に何かが間違っているのです。
(つづく)
(この文章は、構成図をもとに音声入力した原稿をamivoiceでテキスト化したものです)
マインドマップ風構成図
 記事のもととなった構成図です。

(急いで書いたのでうまくありません)

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