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中学3年生は詩と伝記を読もう  2023年6月5日  No.4754
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ネジバナ(モジズリ)

 シルビー・バルタンの歌を聴いて、そのあと、ふと茨木のり子さんの詩を思い出しました。
 この歌とこの詩は、何も関連はありません。
 しかし、私は、なぜか自分の中でつながりを感じたのです。

「シルヴィ・バルタン(SYLVIE VARTAN) - アイドルを探せ(LA PLUS BELLE POUR ALLER DANSER」
https://www.youtube.com/watch?v=IP2fTeOm788


「汲む~Y.Yに」(茨木のり子)

 大人になるというのは
 すれっからしになることだと
 思い込んでいた少女の頃
 立ち居振舞の美しい
 発音の正確な
 素敵な女のひとと会いました

 そのひとは
 私の背のびを見すかしたように
 なにげない話に言いました

 初々しさが大切なの
 人に対しても世の中に対しても
 人を人とも思わなくなったとき
 堕落が始まるのね 堕ちてゆくのを
 隠そうとしても 隠せなくなった人を
 何人も見ました

 私はどきんとし
 そして深く悟りました

 大人になっても
 どぎまぎしたって いいんだな
 ぎこちない挨拶 醜く赤くなる
 失語症 なめらかでないしぐさ
 子供の悪態にさえ傷ついてしまう
 頼りない生牡蠣のような感受性
 それらを鍛える必要は少しもなかったのだな

 老いても咲きたての薔薇 柔らかく
 外にむかってひらかれるのこそ 難しい
 あらゆる仕事
 すべてのいい仕事の核には
 震える弱いアンテナが隠されている きっと

 わたくしも
 かつてのあの人と同じくらいの年になりました
 たちかえり
 今もときどきその意味を
 ひっそりと汲むことがあるのです


 中学3年生は、自分の人生への自覚が始まる時期です。
 その時期に、テスト勉強や部活の練習だけに費やすのではなく、詩と伝記を読む時間を作るべきです。
 最初は、入門書のような本でもいいでしょう。
 例えば、「詩のこころを読む」
https://www.amazon.co.jp/dp/4005000096/


 しかし、今、中学生の子供が歩いていく道の途中に本屋があることは少なくなりました。

 だから、お父さん、お母さんは、子供に、ネットショップのアカウントを作ってあげ、毎月5,000円の枠内なら何を買ってもいいよと話しておくのです。
(金額は、家庭の方針で決めてください)

 読書のために使う費用は、塾に行かせたり予備校に行かせたりする費用よりもずっと価値があります。

 子供は時どきくだらない本を買いますが、それも含めて読書は、どんな勉強よりも価値があります。
 それは、子供自身が、大人になってそう思うはずです。

233-0015 横浜市港南区日限山4-4-9言葉の森オンラインスクール 電話045-353-9061
 
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