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円と直径と球(四行詩)  2009年5月10日  No.485
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 人は何のために生まれてきたのか。

 円は、自分のことを知りたいと思い、直径に尋ねた。
 しかし、直径の答えには、どこまで行っても割り切れなさが残った。
 ある日、円はふと気づいた。
 直径が先にあるのではなく、僕が先にいたんだと。

 人生の目的が先にあるのではなく、人生が先にあったのだと。

 円は、考えた。
 だから大事なのは、無限にある直径の可能性の中でどういう直径を選ぶかということだ。
 その直径を軸として回転をすれば、円はひとつの球になるだろう。
 球の中で、円は無限に存在する。

 人が学ぶのは、球になる可能性を求めて、直径を引く場所を探すためだ。

 孔子は、十五にして直径に志し、三十にして球になるために立った。

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