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日本は創造教育文化立国を目指せ。新しい時代の産業を作るのが日本人の役割。創造文化の時代を作る前提になるのは創造教育  2024年2月7日  No.4971
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メジロ

 人間の歴史は、大きく見ると、狩猟採集時代から、農業革命の開始によって大きく変化しました。

 その農業の時代がしばらく続いたあと、工業革命の時代が始まりました。

 この時代は、工業製品を作るための施設や設備や輸送に多くの資金が必要であったため、資本主義という経済が発達しました。

 しかし、資本主義の時代は、一段落しつつあります。
 工業生産は、まだ産業の中心ですが、家電製品のように、どこの国でも作れるものになっています。

 一時、中国が世界の工場と言われていましたが、今、世界の工場はどこの国でも作れるようになっています。

 工業の時代の先に、宇宙ロケット開発や海洋開発がありますが、それは一部の先端企業が行っていることで、多くの人が参加するものにはなっていません。


 工業の時代の次の時代は、情報の時代と言われたことがありました。
 しかし、情報のインフラはほぼ完成しつつあります。
 むしろ、多くの人は、情報の氾濫から一歩距離を起きたいと思うようになっています。

 では、次の時代は何かというと、私は創造文化の時代だと思います。
 創造文化の土台になるものは創造教育です。

 これからの世界で何が価値あるものかと言えば、それは食料でも、家電製品でも、楽しい旅行でも、豪華な外食でもなく、一人ひとりの創造になりつつあるのです。

 その創造の時代の先端にあるのが日本です。
 日本には、長い江戸時代に花開いたさまざまな創造文化があります。
 この創造を、個性的に発展させていくことがこれからの課題です。

 現在、目につくメジャーな文化産業としては、ゴルフ、サッカー、野球、バスケットボール、各種スポーツ、オリンピック、テレビ、映画、歌、踊り、芸能界、遊園地、旅行などがあります。

 地球人ではない宇宙人が、例えばゴルフやサッカーを見たら、地球人は変わったことに熱中するものだと思うはずです。

 食料や家電製品と比べれば、何の意味もないように見える娯楽に、多くの資金が投入されています。
 それは、その文化産業が、工業生産の延長に生まれた文化産業だからです。


 新しい文化産業は、個性を生かす文化産業です。
 もちろん、中には、茶道や華道や俳句や短歌や落語や漫才のように、参加者の大きな裾野を形成する文化もありますが、文化産業の本質は、個人が自分の個性を生かして創造する文化です。

 私がよく引用するのは、さかなクンが創造した「さかな文化」とも言えるものです。
 これから、多くの人が、「虫文化」「鳥文化」「犬文化」「猫文化」「新しいスポーツ文化」「ダジャレ文化」などを作り出す可能性があります。


 産業は、作る人と求める人が結びついて始まります。
 つまり、生産する人と需要する人がいれば、そこで世の中のお金は回り出します。

 経済とは、お金が回ることです。
 もちろん、将来のベーシックインカムの時代には、お金の必要性はもっと薄まります。
 しかし、人間の生産と需要を結びつけるものとして、お金の流通があることが大事なのです。


 創造文化の時代を作るには、創造的な人々が必要です。
 創造的でない人が、豊かな生活だけを与えられれば、それは「パンとサーカスの時代」に逆戻りすることになります。

 だから、創造文化は、創造教育と結びついています。
 幸い、日本人は、多くの人が個性と創造性を持っています。

 FacebookやXやYouTubeなどでも、日本人は自分らしい発信をしている人が多いように思います。
 もちろん、単なる他人への批判になっている記事も多いのですが(笑)、創造的な発信もまた多いのです。

 それは、出版物を見てもわかります。
 よくこんないろいろなことを考えたり書いたりする人がいるものだと思うような本がたくさん出版されています。


 この日本文化が持つ創造性を発揮して、新しいさまざまな文化産業を作っていくことが、これからの日本の役割になると思います。

233-0015 横浜市港南区日限山4-4-9言葉の森オンラインスクール 電話045-353-9061
 
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