フサザキスイセン
日本人は、教育熱心です。
中国も、韓国も、教育には熱心です。
それは、科挙の伝統があるからという面もあります。
いい成績を収めれば、成功のエスカレーターに乗れるという考えがあるからです。
それは、これまでの社会である程度は実現していました。
しかし、今は、成績と成功が結びつかないことがだんだんと明らかになってきました。
それを身近に感じているのは、受験生を受け入れる大学や、学生を受け入れる企業の側です。
成績と実力は、ある程度までは一致していますが、ある程度を超えると、反比例することさえあるのだということがわかってきたのです。
例えば、オール4までの学力なら必要な学力です。
しかし、オール5になる学力は、必要を超えていることがあります。
そういう学力の学生は、学力以外の面で見劣りすることがあるのです。
そこで、大学では、総合選抜という入試を始めました。
成績は、普通にできていればいいから、成績以外の意欲や個性を見ようという入試です。
この考えは、社会の変化にも対応しています。
今の資本主義は、フロンティアがなくなっています。
IT分野でわずかのフロンティアがあるように見えますが、その狭いフロンティアに参加しようとする人が多すぎます。
今、大企業と言われるところも、新しい分野の開拓に苦労しています。
これまでの実績だけでやっていける時代ではなくなってきたからです。
世の中の枠組みの前提が大きくかわりつつある今、子育ても大きく方針を見直す必要があります。
そこで、これからの子供たちに必要な未来の学力と未来の子育てを考えてみました。
私(森川林)の基本的な考えは、「明日の日本を支える、思考力、創造力、共感力のある子供たちを育てる」教育を目指すことです。
今の受験競争の社会の中で、どういう子育てを目指すかということを、このあと書いていきたいと思います。