これまでの全記事
漢字の勉強が苦手な子に、どのように漢字の勉強をさせるか  2024年7月28日  No.5138
ホームページの記事は→5138



https://youtu.be/w3QkVyP9yy0

 国語力の中心は、読解力と作文力です。
 漢字の書き取り力や、文法の力や、古文漢文の力は、国語力の本質ではありません。

 なぜなら、日本語を知らない外国人は、漢字も、文法も、古文漢文もできません。
 しかし、日本語の文章は、その国の言語に翻訳すれば十分に内容が理解できます。
 国語力とは、結局思考力のことなのです。

 漢字力で大事なのは、漢字を読む力であって、漢字を書く力ではありません。
 読書力のある子は、特に漢字の勉強をしなくても、学年相当以上の難しい漢字を読めます。
 これが漢字の実力です。

 しかし、漢字の書き取りは、書き取りの勉強をしなければ身につきません。
 漢字を読む力は実力で、漢字を書く力は勉強力なのです。


 ところが、今の大人は、漢字を忘れても困りません。
 ネットで調べればすぐにわかるからです。
 また、文章を普通に入力すれば、ソフトが自動的に漢字に変換してくれます。

 昔のような漢字の書き取りの試験は、もう時代遅れです。
 しかし、まだその時代遅れの漢字の書き取りは、しばらく続きます。


 では、どういう勉強をしたらいいかというと、それは、

1.なるべく薄い漢字の問題集を使うことです。
 いろいろな問題を載せている厚い漢字の問題集は、繰り返しの勉強がしにくいからです。

2.その問題集をもとに、ひとつの漢字を20回繰り返し書く勉強をします。
 なぜ20回かというと、200字詰めの作文ノートの1行が20字だからです。
 小学2年生までは150字詰めの作文ノートを使うことが多いので、その場合は、ひとつの漢字を15回書くと決めておきます。

3.大事なことは、お母さんが教えるのではなく、毎日の習慣として子供だけで勉強をさせることです。
 なぜ、お母さんが教えないのがいいかというと、親は漢字をよく知っているので、つい子供にいろいろなことを要求してしまうからです。
 「そこは、はねる」のだの、「もっと大きな字で書く」だの、子供の漢字の勉強を見ていると、ついいろいろなアドバイスをしたくなってしまいます。

 子供にとっては、そういうアドバイスが嫌で、漢字の勉強を嫌がることも多いのです。
 子供がひとりで毎日の習慣として、例えば、毎日5文字を20回書く勉強をすると決めておけば、すぐに終わる勉強なので、抵抗なく勉強が続けられます。

 それぞれの学年で習う漢字は200字程度ですから、1か月半で一応全部の漢字の書き取りの練習ができます。
 その練習を毎日続けていけばいいのです。

4.もうひとつ、漢字に興味を持たせる方法として、難読漢字の本を用意するということがあります。
 漢字は、象形文字ですから、文字であるのに絵として読める性格を持っています。
 例えば、「鷲」「鷹」「鯨」「猪」「猿」「鳶」「雀」などという漢字を見ると、学校でまだ習っていない漢字ほど、興味を持つことができるのです。

▽「ちびまる子ちゃんの読めるとたのしい 難読漢字教室」
https://www.amazon.co.jp/dp/4083140585/


 しかし、国語力で大事なのは、漢字の書き取り力ではなく、読書力なのだということをいつも確認しておく必要があります。
 読書によって読める漢字が多い子は、いざ漢字を書く勉強を始めると、短期間で書き取りの力もつくからです。

233-0015 横浜市港南区日限山4-4-9言葉の森オンラインスクール 電話045-353-9061
 
 同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
漢字(17) 

 コメント欄
コメントフォーム

漢字の勉強が苦手な子に、どのように漢字の勉強をさせるか 森川林 20240728 に対するコメント

▽コメントはここにお書きください。 お名前(ペンネーム):

 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。



受講案内の郵送(無料)をご希望の方は、こちらをごらんください。
(広告規定に基づく表示:受講案内の郵送を希望される方はご住所お名前などの送信が必要です)

電話通信の無料体験学習をご希望の方は、こちらをごらんください。
(無料体験学習をお申し込みの方に、勉強に役立つ小冊子をお送りします。)

Online作文教室 言葉の森 「特定商取引に関する法律」に基づく表示」 「プライバシーポリシー」