これまでの全記事
未来教育宣言(その6)――宿題とテストによる一律の勉強ではなく、発表を中心とした個性のある勉強を  2024年9月21日  No.5174
ホームページの記事は→5174


 現在の教育は、宿題とテストが勉強の中心になっています。

 それは、30人から40人の学級で、集団一斉指導をしなければならないという今の学校教育の体制が前提になっているからです。

 この体制を変える必要があります。
 未来の教育の新しいプラットフォームは、オンラインで、学年や進度が近い4~5人の少人数が、クラス単位の授業で勉強をするというかたちになります。

 言葉の森が行っているオンライン少人数クラスの教育が、この新しい教育のプラットフォームです。


 宿題に問題があるのは、ひとつには、できる子にとっては、やらなくてもいい問題も義務としてやらなければならないことです。
 もうひとつには、できない問題があった場合、その問題を繰り返し解いてできるようにする仕組みが備わっていないことです。

 だから、学力を育てるためには、全員一律の宿題をさせるのではなく、生徒一人ひとりが自分の決めた1冊の問題集を完璧に自分のものにするという学習が必要です。
 そうすれば、できた問題はもうやらなくてもいいし、できなかった問題は何度も繰り返し解いてできるようにするという勉強の仕方ができます。
 これが、最も能率のよい勉強法です。


 宿題と並んで、今の学校教育のもうひとつの問題は、テストが勉強の中心になっていることです。
 テストで競争させられ、序列をつけられるので、子供たちの勉強の目的はテストでよい点を取ることになります。

 テストを課す発想の根底には、競争で子供たちの学習意欲を引き出そうとする考え方があります。
 勉強は、自分自身の向上のためにするものであって、テストの競争に勝つためにするものではありません。

 テスト中心の勉強に過度に適応した子は、その勉強が終わったあとに、勉強嫌いになってしまうことがあります。
 テストでいい点をとればいいという考え方が進むと、テストに出ないものは勉強しないとか、テストが終わったら勉強しないとか、できるだけ省力化した勉強生活をするようになります。

 二宮金次郎が、薪を背負いながら本を読んだのは、テストがあったからではありません。
 自分をもっと向上させたいという気持ちがあったからです。
 テスト中心の教育は、そういう向上心を失わせてしまうことがあるのです。


 では、宿題やテストを使わない教育がどういうものになるかというと、それが発表の教育です。

 一律の答えのある勉強は、宿題やテストにしやすい勉強ですが、思考力、創造力を育てる勉強は、宿題やテストにはなりません。

 思考力と創造力は、自分の勉強した結果を発表することが意欲の源泉になります。
 作文で言えば、森リン大賞やクラスごとの発表会が発表の場です。

 創造発表クラスやプログラミングクラスでは、更に、発表が学習の動機づけになります。

 国語読解や算数数学や英語でも、短歌作成、自作問題、自由英作文などは、発表が学習の結果を目に見えるものにします。

 これからの教育は、宿題やテストではなく、発表を勉強の目標としていく必要があるのです。
(つづく)

233-0015 横浜市港南区日限山4-4-9言葉の森オンラインスクール 電話045-353-9061
 
 同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
未来の教育(31) 言葉の森のビジョン(51) 未来教育宣言(0) 

 コメント欄
コメントフォーム

未来教育宣言(その6)――宿題とテストによる一律の勉強ではなく、発表を中心とした個性のある勉強を 森川林 20240921 に対するコメント

▽コメントはここにお書きください。 お名前(ペンネーム):

 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。



受講案内の郵送(無料)をご希望の方は、こちらをごらんください。
(広告規定に基づく表示:受講案内の郵送を希望される方はご住所お名前などの送信が必要です)

電話通信の無料体験学習をご希望の方は、こちらをごらんください。
(無料体験学習をお申し込みの方に、勉強に役立つ小冊子をお送りします。)

Online作文教室 言葉の森 「特定商取引に関する法律」に基づく表示」 「プライバシーポリシー」