作文の学習の問題は、時間がかかるということです。確かに、構成図を使えば7、8分で考えることができ、音声入力を使えば7,8分で書き上げることができますが、このやり方はまだ一般的とは言えません。
そこで、短作文という方法を考えました。これを、読書暗唱作文クラブでやっていく予定です。
短作文は、一段落、約三文、約150字の作文です。この一段落が、長い文章を構成する一つの基礎的なまとまりとなります。
一段落には、一つのテーマは含まれます。このテーマは、自由です。いわば、その日の日記のような位置づけで、各自が自由に書くことを決めてきます。
現在、言葉の森の小学3年生以上の課題は、与えられた題名や長文になっていますが、自由なテーマになると、テーマを発見する習慣もつきます。これは、ブログなどに記事を書くのと同じ効果があります。
なかなか書けないという生徒には、書きやすくするために、表現指導で文を引き出す練習をすることも考えられます。例えば、「もし……だったら」「どうして……」「たぶん……」などの表現項目です。このほか、「会話」「名前・数字」「□○□○」なども使えます。
しかし、あまり手助けをすると、観念的な言葉遊びになってしまうおそれもあります。基本になるものは、あくまでも本人によるテーマの発見で、表現項目指導は、補助的なものとして考えておきます。
創造的な活動は、制約がある方が創造性を発揮しやすくなるという面があります。短作文の制約は、三つ考えられます。
第一は、8行(150字前後)ぴったりにまとめるということです。これは、俳句や短歌と同じで、字数の制約があることによって創造性が引き出しやすくなるとともに、作品としての密度が高まります。
第二は、「たとえ」や「自作名言」をできるだけに入れるようにして書くということです。こういう表現項目があると、作品の完成度が高まります。
第三は、消しゴムを使わずに一挙に書き上げるということです。時間制限という制約があると、勉強の集中度が高まります。タイマーのようなものを使って、書き上げた時間を記録するようにしてもいいと思います。
これまでの普通の作文を仮に長作文と呼ぶと、この短作文と長作文の関連は次のようになります。
短作文が基礎作文力の練習で、長作文が構成作文力の練習です。
この短作文の評価は、基本的に誤字と誤表記のチェックだけです。先生の講評よりも、短作文を書いて発表すること自体が勉強の中身になります。
(この文章は、構成図をもとにICレコーダーに録音した原稿を音声入力ソフトでテキスト化し編集したものです)
マインドマップ風構成図
記事のもととなった構成図です。
233-0015 横浜市港南区日限山4-4-9
●言葉の森オンラインスクール 電話045-353-9061
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