9月4週の清書について、学年別の森リン大賞が決まりました。
その中から、代表的なものをいくつかを紹介します。
9月の森リン大賞と上位入賞者(小6の部153人中)
文化的カプセルは「柔らかめ」で
ことのは
もしわたしが海外旅行に行くことになったら、文化的カプセルを破ってその国を楽しめるだろうか。ハワイ、アメリカ、フランス、オーストラリア、中国など行きたい国はたくさんある。わたしはどの国に行くとしても、その国の言葉をどのくらい話すことができるか、言語をよく知っているかと言う「言葉の習得度」によって、行動が変わってくると思う。英語やフランス語、各国の言葉がペラペラで、何を言われても迷うことなく対応できるようになっていれば外国人とも気軽に付き合うことができるはずだ。アメリカやイギリスをはじめ、ヨーロッパ諸国の文化にも興味がある。しかしわたしもやはり日本人だからなのか、現実的に考えてみると尻ごみしてしまいそうなのだ。日常生活でも、フレンドリーに接しなくちゃいけないとしじゅう気をもんでいるのに、海外に行ったらどうなってしまうのか。この狭い日本でできないことが、広い外国でできるのだろうか。母国語が違う相手にコミュニケーションできるかと言われれば、不安が三分の二を占めてしまう。言葉が通じなかったらどうしよう、話が合わなかったらどうしよう、と不安要素があふれかえっているからだ。だが、勇気を一回出せばその国の文化やしきたりが分かるのではないだろうか。同じ国の人と固まっているよりも、その土地の人や他の国から来た人などと知り合った方が楽しい。外国人との壁なんて気にせずに、その国独特の物を見つけて帰ってこようと楽に考えればいいのである。
母は今までに、二回海外旅行に行ったという。一回目はインド、二回目はフランス。言語も文化も全然違う国だ。しかしどうやら母は文化的カプセルを持っていないようなのである。インドに行く時不安は全然無かったと言うし、フランスに行ったときもお金の不安ばかりで「言葉が通じなかったらどうしよう」とは思わなかったそうだ。わたしならずっと、言葉が通じるか、この国で過ごしていけるかと様々な不安を抱えたまま旅行をしそうだというのに。言葉が通じるか、という問題は学校で習う英語を使ったり、フランス語を書いたり、最悪の場合は日本語で話したりして切り抜けたそうである。母は尻ごみせずに、外国人と友好的な関係を築いたと言っていた。フランスではユースホステルが混んでいて、泊まることができなかったのでスウェーデン人の女の子と一緒にホテルを探したそうだ。なかなか行動派である。またユースホステルで宿泊できなかった台湾人の女の子とも仲良くなり観光をしたという。日本人とべったりくっつく、ということはあまりなかったようだ。しかし、知り合ってからずっと英語で話していた男の子が日本人だった、なんてこともあったらしい。すこし信じられないが、そこが旅行の面白い所なんだと思う。一方、インドでは文化的カプセルを持っていっても維持できないという。電車は時刻表どおりに来ないのが当然で、踏切は電車が通過しても開かないし、約束は簡単に破られ、何を言ってもみんな、「ノープロブレム、ノープロブレム」とニコニコ笑っているというのだ。物事が計画通りに進行していかない、そんな国らしい。文化的カプセルはかえって邪魔だという。その国によって社会も文化も違うので、文化的カプセルはなるべく柔らかめの物を持った方がよさそうだ。文化を分解しなければ、付き合っていけない人たちがたくさんいるのだから。
日本人にとって文化的カプセルとは、破っていかないといけない、一つの課題であるとわかった。日本人は引っ込み思案な恥ずかしがり屋が多いので、海外旅行でも文化的カプセルを破ろうとしない。しかし、これが他の国の人だったらどうなのだろう。きっと海外でも、積極的にその土地の人と仲良くなろうとするはずである。日本人も見習って、積極的な性格になるべきだ。言葉や人種の壁を乗り越えて新たな文化や発見が得られると思う。外国人には色々感心させられる。海外旅行でなくても、その土地の人と親しくなれるよう内向きな自分の性格を直していきたい。
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