あまりやる気の見られない、何しろ早く書いておしまいにしたいという、いたずら好きの小2の男の子にこんな話をしました。
「いいかい。君が大きくなって、やがてお父さんになるんだ。そうすると、やはり子供が生まれてその子が小学校2年生ぐらいになるんだ。するとある日、その子が、『ねえ、パパが小学校2年生のときは、どんな作文を書いていたのぉ』(子供の真似をして)と聞くんだよ。そこで、君が今書いているこの作文を見せるんだ。すると、その子が、『わあ、パパっておもしろい作文書いていたんだねえ』って喜ぶんだよ。いいかい。そういうことを考えて、いい作文を書くんだよ」
その日は、ていねいな字でしっかり内容のある作文を書いていました。
書き方のテクニックのような話はいくらでもできます。しかし、そういう話をする以前に、いい作文を書こうとする子供の心がいちばん大切なのです。
家庭でも同じです。たくさん書いたらごほうびをあげるとか、出来が悪かったら勉強を増やすとかいうのも、たまにはゲームのような感じで面白いかもしれません。しかし、賞や罰に適応した子供は、賞や罰がなければ動かないようになります。
人間は、心意気で動くときにいちばん力が出ます。話の内容というよりも、その話をしているときの親や先生の雰囲気で心を動かされるのです。
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