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作文小論文入試のコツ(その3)  2010年2月9日  No.773
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 これは、言葉の森新聞に掲載した記事です。

 1月に「その2」を出したあと、「その3」が出ていませんでした。(^^ゞ

 公立中高一貫校の作文入試は大体終わりつつありますが、大学入試の小論文はまだこれからのところが多いと思います。これから小論文試験に臨む方は、言葉の森のこれまでの記事を参考にしていってください。



 作文のコツの第六は、知性を感じさせる社会実例を書くことです。

 作文の中に書いてある実例が体験だけだと、知的な印象が少なくなります。社会実例の元になるものは、読書です。本をよく読んでいる生徒は、自然にその本の中から実例を見つけてきます。読んだ本からの実例が書いてあると、知識の厚みを感じさせる文章になります。ニュースなどもいい実例になることがありますが、テレビでセンセーショナルに取り上げられた話題だけで書いていると、かえって普段テレビしか見ていないような印象になります。

 受験勉強で社会を勉強していれば、その勉強から社会的な実例が書けそうなものですが、そうではありません。受験で勉強している内容はどちらかと言えば断片的な知識なので、文章の中に生きた形で生かすことが難しいのです。それに対して読書によって得た知識は、生きたまとまりの中にある知識ですから、文章の中に生かすことができます。

 読書をする時間がなかなか取れない人は、問題集の問題文を繰り返し読む練習をしていきましょう。国語の問題集を読書がわりに読むと、読解力もつきますし、表現力も豊かになります。

 第七は、構成がわかるように書くことです。

 実は、この構成重視の作文は、言葉の森の勉強でいちばんプラスになるところです。言葉の森の指導の仕方は、全体の構成をまず考えて、それから中身を埋めていくというスタイルです。このため、勉強を続けていると、自然に構成を意識して書けるようになります。

 多くの受験生は、課題を見たとたんにまずとりあえず書き始め、書きながら先を考えるというスタイルで書きます。この書き方でももちろんうまくまとまることがありますが、読み手にとってはあまり読みやすい文章にはなりません。構成を最初に考えて書くと、「問題点は二つある。第一に……。第二に……」などという書き方ができるようになります。こういう構成の文章は、頭の中が整理されていないと書けません。採点する人は、このような読みやすい文章に好感を持ちます。

 見た目の印象を読みやすく感じさせるために、段落の長さも大事です。考えが整理されていると、どの段落もバランスのよい長さでまとめられます。逆に、考えが整理されていないときは、極端に長い段落や短い段落が混じる形の文章になりがちです。


 文章を書く力は、これからますます重要になってきます。そして、文章を書く力は、読む力に支えられています。受験のための勉強が終わったあとも、毎日の生活の中で読書をする習慣をぜひつけていってください。

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