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小学校低中学年の学習は、勉強よりも読書で力がつく  2010年4月14日  No.866
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 小学校低中学年のお母さんと勉強の相談をしていてよくあるのは、「勉強が忙しくて、とても毎日は読書ができない」という話です。しかし、その勉強とは何かというと、算数の計算問題や、国語の漢字や読解の問題です。

 そういう勉強が悪いというのではありません。学校では、反復学習の時間が不足しますから、家庭で計算練習や漢字練習をするのは必要です。しかし、読書時間が圧迫されるほどそれらの勉強をする必要はありません。勉強と読書とどちらを優先するかいえば、間違いなく読書です。特に、学年が上がるほど、小学校低中学年のころからの読書の習慣が、その後の学力に生きてくるようになります。

 なぜ、勉強的なことをあまりする必要がないかというと、小学校低中学年の勉強はほとんどが意味のない作業になっているからです。

 例えば、漢字の勉強です。漢字の勉強は、中学生ぐらいになれば、自分で考えて、できていない漢字だけに絞って勉強することができます。そうすると、無駄のない学習ができます。

 しかし、小学校低中学年の場合は、勉強をするという自覚がまだありません。漢字の勉強をしているときでも、何のために漢字の勉強をしているかわからず、ただ言われたことをそのまましているだけです。

 そこで、漢字のドリルをするときも、できているものもできていないものも、同じようにやって無駄な時間の多い勉強をすることになります。また、漢字の書き取り練習をするときも同じで、書ける漢字も書けない漢字も同じように書くので、これも無駄の多い勉強をすることになります。

 勉強の基本は、できているものはやらず、できていないものだけに絞って、できるようになるまでやる、ということです。勉強の自覚ができていない小学校低中学年の勉強では、お母さんが問題を出すような形で能率よく勉強するか、又は、何しろ大量に時間をかけることによってできない問題をなくすようにするか、どちらかしかありません。

 小学校低中学年の子が、黙々と漢字や計算のドリルをやっているのを見ると、一見、子供が何か勉強をしているような感じを受けます。しかし、それは、多くの場合、単なる作業の時間です。本当の勉強は、読書や対話など、生きた日本語を使うところから生まれてくるのです。

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