小学校4、5、6年生で、もうすっかり上手に書けるという子がいます。こういう子をどう指導したらよいのでしょうか。
こういう子に、更に上手に書かせるようとすれば、あら探しをするような指導になります。小学生の生活作文の一つの完成した形に到達したと見なしておく必要があります。
そこで、学習の目標は、ひとつには、この段階で小学校時代の思い出に残る生活作文をたっぷり書くということになります。
もうひとつは、次の説明文、意見文の課題の準備をするということです。
小学校高学年の上手な子の中には、「こう書けば先生に受けるだろう」というような発想をする子もいます。しかし、こういう技術的なことに満足してしまうと進歩は止まります。
感想文や意見文では、裏の裏の裏の考えまで意見を深めることができます。そういうことを親や先生など大人の人が話してあげると、作文についてもずっと向上心を持って取り組むことができます。
実は、小学校6年生まで上手だった子が、中学生になるとがくんと下手になる(ように見える)ケースがよくあります。それは、生活作文(事実文)は上手に書けても、意見文には慣れていないからです。意見文にふさわしい、語彙、実例、意見は、事実文で書いていたものとは異なります。
したがって、小学校4、5、6年生の作文の勉強というのは、作文だけではなく、途中から読解の勉強に力を入れる必要が出てきます。生活作文的な題名の文章は上手に書き続ける一方で、感想文課題で実例を広げたり、問題集読書などで難しい文章を読む練習をしたりしていくことです。
あくまでも一般論ですが、小学校6年生までは、女の子の方が上手に作文を書きます。しかし、中学生、高校生になると、体験実例は上手に書くものの、なかなか社会的実例の広がりのある文章が書けなくなります。一方、小学校6年生までは、ごく普通に書いていた男の子が、中学生、高校生になると、社会的な実例のあるよく考えた文章を書いてくるようになります。
作文の勉強は、その学年の中で見るのではなく、その先の学年との関連の中で見ていく必要があります。
233-0015 横浜市港南区日限山4-4-9
●言葉の森オンラインスクール 電話045-353-9061
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。作文教育(134)
コメント欄
コメントフォーム
受講案内の郵送(無料)をご希望の方は、こちらをごらんください。
(広告規定に基づく表示:受講案内の郵送を希望される方はご住所お名前などの送信が必要です)
電話通信の無料体験学習をご希望の方は、こちらをごらんください。
(無料体験学習をお申し込みの方に、勉強に役立つ小冊子をお送りします。)●Online作文教室 言葉の森 「特定商取引に関する法律」に基づく表示」 「プライバシーポリシー」