前回は、暗唱の教材と、暗唱の時期について説明しました。今回は、暗唱の意義について説明したいと思います。
しかし、実は、暗唱に対する研究というものは、ほとんどありません。塙保己一、湯川秀樹、シュリーマンのような、有名な人の有名な話はいくつかありますが、理論的な裏づけを持った説明というものは、今のところないようです。
ここで、自分の経験と、これまで生徒に指導してきた経験から、暗唱の意義というものを考えていきたいと思います。
まず、暗唱というと、暗記することや記憶することと考えがちです。暗唱によって記憶力がつくかというと、そういう直接的な効果はそれほどありません。長い文章でも、手順どおりやれば記憶ができるという確信はわきますが、記憶力がつくということではないようです。
また、暗唱を記憶するものと考えると、易しい文章のうちは苦もなく暗記できますが、難しい長い文章になると、途端に全くできなくなるという状態になります。
暗唱は、記憶ではなく、方法であると考えることが必要です。その方法とは、言葉の森でやっている暗唱用紙などを使った反復法です。
暗唱によって力がつくのは、第一に理解力です。第二に読解力です。第三に発想力です。第四に感受力です。つまり、暗唱によって文章を深く読む力がついてくるのです。
暗唱と作文力には関連がありますが、それは、暗記した表現がそのまま作文に出てくるというだけの根の浅いものではありません。暗唱が読む力を育て、その育った読書力によって書く力が伸びるという関係にあるようです。
だから、暗唱の勉強だけでは不十分で、暗唱とともに読書に力を入れていくことが必要です。更に、読書の成果を表現するために作文の勉強が必要になってくる、という関係にあるのです。
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