a 読解マラソン集 5番 機織の歴史 i3
 「つる恩返しおんがえ 」や「うりひめ」のように、日本にっぽん昔話むかしばなしには、おんなひとはた織るお 場面ばめんがよくてきます。
 ぬの織るお 仕事しごとは、紀元前きげんぜん八〇〇〇ねんほどまえから始まりはじ  ました。ぬの織るお ためにはうえから何本なんぼん垂らした  経糸たていとあいだ一本いっぽんずつ緯糸よこいと縫うぬ ように入れい ていきます。ですから、一まいぬの織るお のも大変たいへん時間じかんのかかる作業さぎょうでした。
 この作業さぎょうは、次第にしだい 機織はたおり道具どうぐ改良かいりょうされるようになって早くはや できるようになりましたが、それでも手作業てさぎょう機織はたおり時間じかんのかかる仕事しごとでした。
 しかし、十八世紀せいきに、イギリスで機械きかいちから利用りようした機織はたおり発明はつめいされると、機織はたおりのスピードはぐんと上がりあ  ました。最初さいしょ機織はたおり水力すいりょく使っつか ていましたが、やがて蒸気じょうきちから使わつか れるようになり、機織はたおり仕事しごと更にさら 能率のうりつ上がりあ  ました。機械きかいのよいところは故障こしょうさえしなければ、疲れつか 知らし ずに一日中いちにちじゅうでも働けるはたら  ことです。このため、イギリスでは、それまでの手仕事てしごと奪わうば れたひとたちが、機械きかい壊すこわ という運動うんどうまで起こりお  ました。
 中国ちゅうごくでは紀元前きげんぜん複雑ふくざつ模様もよう織るお 機織はたおり道具どうぐ作らつく れていました。それは、体重たいじゅう軽いかる 子供こども機織はたおりうえ乗りの したからの指示しじ経糸たていと複雑ふくざつ上げあ たり下げさ たりするというものでした。このような複雑ふくざつ模様もようは、手作業てさぎょうでなければできませんでしたが、十九世紀せいきに、フランスでカードに開けあ あな有無うむ経糸たていと上下じょうげさせる自動じどう織機しょっき開発かいはつされました。この発明はつめいによって、複雑ふくざつ織物おりもの簡単かんたんにできるようになりました。
 現代げんだい日本にっぽんでは、手作業てさぎょうによる織物おりものは、伝統でんとう工芸こうげいのような特殊とくしゅ分野ぶんや残るのこ だけになっています。

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 機織はたおり忙しいいそが  織姫おりひめは、ある天の川あま がわのほとりから地上ちじょう様子ようす眺めなが ました
自動じどう織機しょっきで、あんなに簡単かんたん機織はたおりができるなんて!」
 ショッキを受けう 織姫おりひめ言いい ました。
「もう、わたしハ、タオリちゃいそう。」

 言葉ことばもり長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい(η)
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a 読解マラソン集 6番 いちばん古い漫画 i3
 日本にっぽん世界一せかいいち漫画まんが王国おうこくとよばれています。大人おとな向けむ のものまでふくめると、一年間ねんかんに七おくさつ以上いじょう漫画まんが出版しゅっぱんされています。漫画まんがをもとにして、アニメーションや映画えいがやテレビ番組ばんぐみもたくさん作らつく れ、いろいろなくに言葉ことば翻訳ほんやくされて、世界中せかいじゅう人気にんき集めあつ ています。
 では、漫画まんがは、いつの時代じだいからあったのでしょうか。いちばん古いふる 漫画まんがは、いまから八百年はっぴゃくねんほどまえにかかれたと言わい れています。それは、京都きょうと高山寺こうざんじというお寺 てらにある、「鳥獣ちょうじゅう人物じんぶつ戯画ぎが」というです。
 そのなかには、人真似ひとまねをして遊ぶあそ 動物どうぶつたちがかかれています。始まりはじ  は、動物どうぶつたちの川遊びかわあそ かわ飛びこむと   ウサギや、泳ぐおよ サル。ウサギに背中せなか流しなが てもらって、気持ちよきも  さそうなサルもいます。べつには弓矢ゆみや練習れんしゅうをしたり、相撲すもうをとって遊んあそ だりするカエルやウサギの様子ようすがかかれています。カエルに投げ飛ばさな と  れて、ひっくりかえったウサギのそばで、見物けんぶつのカエルたちがおおわらいしているもあります。カエルのほとけさまにおきょうをあげているサルのお坊さんぼう  もあります。どの動物どうぶつ生き生きい い 描かえが れ、今にもいま  なかから飛び出しと だ てきそうです。
 このむかし漫画まんがには、セリフがかかれておらず、ストーリーもはっきりしません。しかしなかには、いま漫画まんがたところもあります。たとえばいま漫画まんがでは、すばやい動きうご をあらわすためにせん何本なんぼんもひき、スピードのている様子ようすをあらわします。鳥獣ちょうじゅう人物じんぶつ戯画ぎがなかにも、同じおな ようなかきかたられるのです。
 こんなむかしから、漫画まんが楽しんたの  でいた日本人にっぽんじん。これからも、たくさんの名作めいさく生まれう  多くおお ひと愛さあい れていくことでしょう。
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 漫画まんがは、世界中せかいじゅうマンガできる、日本にっぽんたからです。しかし、漫画まんががわかりやすいので、多いおお ほんマンガ、漫画まんがなら読むよ という生活せいかつ続けつづ ていると、次第にしだい 読むよ ちから低下ていかしてきます。多いおお ほん読むよ 一方いっぽうで、漫画まんが楽しくたの  読みよ 漫画まんが読み方よ かたについてもマンガできるくににしていきましょう。

 言葉ことばもり長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい(γ)
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a 読解マラソン集 7番 地球の友達、月 i3
 よるみち歩いある ていると、なにかが黙っだま てついてきます。あなたが止まると  と、それも止まりと  ます。あなたが歩きある はじめると、またどこまでもついてきます。
 もちろん、キツネやお化け ば などではありません。夜空よぞら明るくあか  輝くかがや もの、それはおつきさまです。
 つきがついてくるのは、電車でんしゃ乗っの ていても同じおな です。電車でんしゃまどから見るみ と、いえ電信柱でんしんばしらは、どんどん後ろうし 飛びと 去っさ ていきます。遠くとお 見えるみ  やまも、近くちか 家々いえいえほどではありませんが、少しすこ ずつ後ろうし ほう動いうご ていくように見えみ ます。しかし、そら浮かぶう  つきやま越えこ まち越えこ 電車でんしゃなかのあなたについてくるように見えみ ます。
 いえ電信柱でんしんばしらやまつき。これらを比べくら 違うちが のは、電車でんしゃからの距離きょりです。つまり、遠くとお のものほど、動かうご ないように見えるみ  のです。
 つきは、わたしたちの地球ちきゅうを三十ぐらい並べなら たほどさきにあるそらのかなたに浮かんう  でいます。ですから、地球ちきゅううえ少々しょうしょう移動いどうしたくらいでは、つき位置いち変わらか  ないように見えるみ  のです。
 もちろん、つきよりもっと遠くとお 太陽たいようでも、同じおな ことが言えい ます。あなたがどんなに動いうご ても太陽たいようはついてきます。しかし、太陽たいようはまぶしすぎて、あまり見上げるみあ  ことはありません。やはり、よる明るいあか  つき一緒いっしょについてくるところにこそ、不思議ふしぎさがあるのでしょう。
 地球ちきゅうつきの四ばい大きおお さです。したがって、もし、つきうえ歩きある ながら地球ちきゅう見るみ と、つきよりも四ばい大きいおお  青くあお 美しいうつく  地球ちきゅうがついてきます。つき地球ちきゅうのツキあいは、遠くとお ても深いふか ものなのです。

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「ねえ、どうしてついてくるの?」
「だって、ツキだから。」
「では、もし太陽たいようだったら?」
「やっぱり、ついて行き   い タイヨウ。」
甘えん坊あま  ぼうなんだね。」

 言葉ことばもり長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい(α)
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a 読解マラソン集 8番 世界に広がる蚊帳 i3
 寝よね うとしたら、ブーンというおとがして、あわてて灯りあか をつけたことがありませんか。そして、小さなちい  がどこにいるか見つけよみ   うとしたことがあるでしょう。
 日本にっぽんではむかし防ぐふせ ために蚊帳かやという道具どうぐ使っつか ていました。これは、一ミリメートルほどの細かいこま  あみでできている四角いしかく テントのようなもので、部屋へやなか四方しほうから吊りつ 下げるさ  ようになっています。網目あみめ細かいこま  ので、なかはいれませんが、涼しいすず  かぜ通すとお ことができます。むかし日本人にっぽんじんは、多いおお 暑いあつ なつよるを、蚊帳かやなか風鈴ふうりんおと聞きき ながら涼しくすず  過ごしす  たのです。 

 しかし、昭和しょうわ後期こうきになると、殺虫さっちゅうざい下水道げすいどう普及ふきゅうした結果けっか自体じたい少なくすく  なり、蚊帳かや次第にしだい 使わつか れなくなっていきました。 
 ところが、いま、この蚊帳かや再びふたた 注目ちゅうもくされています。蚊帳かやは、電気でんき薬品やくひん使わつか ないてんで、人間にんげんにも地球ちきゅうにももちろんにも優しいやさ  道具どうぐだと考えかんが られるようになってきたのです。 

 日本にっぽんは、マラリヤの被害ひがい悩まさなや  れるアフリカ諸国しょこくにたくさんの蚊帳かや送っおく ています。これによって多くおお 子供こどもたちのいのち助かったす  ているそうです。日本にっぽんではほとんど使わつか れることのなくなった蚊帳かやも、世界せかいではだい活躍かつやくをしているのです。日本人にっぽんじんのこれからの役割やくわりは、より安くやす より安全あんぜん蚊帳かや世界中せかいじゅう広めるひろ  ことではないでしょうカ。

「ブーン。」
「あ、や。蚊帳かや入ろはい う。」
「しまった。蚊帳かや入らはい れたカ。ヤーン。」

 言葉ことばもり長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい(α)
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