たまごはニワトリから生まれます。そのニワトリはたまごから生まれます。さてどちらが先なのでしょう。
たまごをうむ動物は、ニワトリばかりではありません。サケ、マス、カエル、カメ、ヘビ、トカゲ、ハト、キジ、ダチョウ、それに乳で子どもを育てるカモノハシも、たまごをうみます。サケとマスのたまごは見分けがつかないほどよくにていますが、サケのたまごからはサケが、マスのたまごからはマスが、まちがいなくうまれマス。たまごは、その動物の生命を宿したカプセルなのです。
鳥がたまごをうみ、それをひなにかえすには、何日もかかります。その間、親鳥は、外敵からたまごをまもるために、いろいろな工夫をします。
高山にすむライチョウは、ハイマツの中に巣をつくり、巣を枯れ草でわからなくして敵の目をあざむきます。川原にすむコアジサシは、石ころと見分けのつかないようなたまごを小石の上にうみます。コウノトリは、高い木の上に巣をつくり、敵が近づくのをふせぎます。このように親鳥たちは、一生懸命たまごを守っています。
では、たまごから子どもになるまでの変化をいろいろな動物でくらべてみましょう。メダカは水中生活をする魚です。カエルは水と陸の両方で生活します。ニワトリは陸だけで生活します。このように、メダカもカエルもニワトリも、生活する場所はちがうし、親になったときの大きさや形もちがいますが、たまごの中で育つようすをくらべてみると、よくにたところがあります。
ニワトリが先か、タマゴが先か。
「ニワトリさん、お先にどうぞ。」
「いえいえ、タマゴさんこそお先にどうぞ。」
「では、いっしょにそろって。」
「わたしたち、ニタワマトゴリ。」
言葉の森長文作成委員会(Κ)
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