梅雨の季節になるとよく見かけるカタツムリ。まるでシャワーを楽しむように雨の中をのんびりと散歩しています。カタツムリは虫ではありません。海に住む貝の仲間なのです。昔々、カタツムリは水の中に住んでいました。ですから、陸に上がって生活するようになった今でも、雨の降る日が大好きなのです。からっとさわやかに晴れた日や暑い日は大の苦手です。しかし、殻があるから、からからに乾いてしまうことはありません。暑い日は、木の葉や草の陰に隠れてじっとしています。梅雨の季節にあれだけよく見かけることができたカタツムリが、夏になるとすっかり消えてしまうのはそのためです。カエルやヘビが冬眠するように、カタツムリは夏のあいだ、ひたすら眠り続けます。そして秋になり雨が多くなってくると、眠りから覚め、活動を開始するのです。
動物や昆虫にはオスとメスの区別があります。けれども、カタツムリにはオスもメスもありません。一匹のカタツムリがオスの役目とメスの役目をするのです。だから、どのカタツムリも大人になると卵を生みます。一回の産卵でニ十個から六十個の卵を生みますが、一つの卵を生むのには十分から二十分もかかります。卵からかえったカタツムリの赤ちゃんは、生まれたときから殻があります。
言葉の森長文作成委員会(ω)
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