シロツメクサは、日本人にとても愛されている草花のひとつです。天気のいい休日になると、シロツメクサが生えている場所で、シートを広げてお弁当を食べる家族連れの姿を見ることができます。シロツメクサの上は、ふんわりしていて座り心地がよいのです。お弁当のあとには、子どもたちは花を編んでかわいい冠にしたり、茎をからませて両側から引っ張る草相撲をしたりして遊ぶこともできます。
私たちになじみの深いシロツメクサですが、実はもともとは日本ではなく、ヨーロッパが原産の植物です。江戸時代、ヨーロッパのガラス製品は大変な貴重品でした。遠くヨーロッパから船でガラス製品を運んでくるとき、船がゆれてガラスが割れてしまわないように箱の中につめものとして入れられたものが、このシロツメクサなのです。つめものの草だからツメクサという名前がつきました。
シロツメクサは生命力の強い植物なので、つめものとして日本にやってきて役目を終えたあと、ゴミとして捨てられた場所で再び息を吹き返し、次第に日本中に広がっていきました。今では北海道から沖縄まで、日本全国で見られるようになっています。シロツメクサのように外国が原産で、何らかの理由で日本に定着した植物のことを帰化植物と言います。セイヨウタンポポやヒメジョオンなども帰化植物として有名です。
ところで、このシロツメクサの英語名はクローバーですが、クローバーといえば、四つ葉のクローバーが幸運のシンボルであることはよく知られています。しかし、四つ葉を見つけようと思っても、クローバかり多くてなかなか見つからないことがほとんどです。ところが、世の中には、五つ葉や六つ葉のクローバーもあるのです。今までに見つかった最高記録はなんと十八枚葉。これは日本で発見され、ギネスブックにも載りました。十八枚葉のクローバーなんて見つけたら、びっくりして白目をむいて倒れてしまいそうです。これぞまさにシロ(ツ)メクサ! 言葉の森長文作成委員会(Ν)
|