魚の顔にはえらがあります。魚が水の中で呼吸ができるのは、このえらのおかげです。
人間は肺を使って体の中に酸素を取り込みます。息を吸い込むときに酸素を取り入れ、吐くときに二酸化炭素を捨てています。これを肺呼吸と呼びます。それに対して魚はえらを使います。これをえら呼吸と呼びます。
水の中にはたくさんの酸素がとけていますが、目で見ることはできません。砂場で使うふるいがありますが、ふるいをえらだと想像してみます。そして、石は酸素、砂粒は水です。砂場の砂をふるいにかけると、ふるいの上には石だけがのこって砂粒はサラサラとこぼれ落ちます。魚は口から水を飲み込み、えらから吐き出していますが、えらというふるいで酸素だけを体の中に取り込むのです。えらが酸素を選んでいるわけです。
しかし、えらが取り込める酸素は、水の中にとけているものだけです。空気の中からは取り込めません。ですから、魚は水の外では呼吸ができません。
水の中の酸素が足りなくなると、魚が水面に出て口をぱくぱくさせることがあります。これは、空気を吸っているのではなく、水面近くの水に空気を混ぜて吸っているのです。
人間も、お母さんのお腹の中にいる一ヶ月目のころにエラのようなものがあります。これは、昔、人間が水の中にいる生物だったころの名残りだと言われています。
言葉の森長文作成委員会(ω)
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