骨と言うと、理科室にある人骨の模型を思い出す人もいるでしょう。人間の体は、さまざまな形や大きさの骨が数多く集まって、骨格を作っています。骨はたいへん丈夫なもので、たとえば、頭蓋骨は平らな骨がドーム状に組み合わさってできていて、脳を守るヘルメットのような役割をしています。また、肋骨はかごのような形をしていて、肺や心臓などの内臓を守っています。
骨と骨がつながっている部分は、どうなっているのでしょう。ただ単に、接着剤でくっつけたように組み合わさっていたら、骨は自由に動きません。しかし、私たちは手や足を自由に動かすことができます。骨どうしが動きやすいようにつながっているところを関節といいます。ひざや指の関節は、ドアの蝶番のような形をしています。肩や股関節などは、丸いくぼみに球の形をした骨がはまっており、あらゆる方向に動かすことができます。関節の骨と骨が接している部分は、摩擦を減らすために軟骨組織におおわれている上、滑液という液体が潤滑油がわりに骨を囲んでいます。つまり、機械に油をさしてすべりやすくするのと同じで、なめらかに動くように工夫されているのです。
骨は、つねに新しい細胞と入れ替わっています。破骨細胞がどんどん骨を壊す一方で、骨芽細胞はせっせと新しい骨を作ります。骨折しても、しばらくすると元どおりに骨がつながるのは、この破骨細胞と骨芽細胞が骨の修理屋の役目をするからです。
壊される骨と新しく作られる骨のバランスが取れていれば、骨はずっと同じ状態を保つことができますが、作られる骨のほうが少なくなると、骨に空洞がふえて軽くなり、骨折しやすくなります。この状態を、骨粗しょう症といいます。
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