作文で実力の差がいちばん出るところは語彙力です。低学年でも表現力豊かな子がいる一方、高学年でも「楽しい」「おもしろい」「すごい」のような単純な表現が文章の多くを占めている子もいます。 この差は、読書から来ます。本を読んでいろいろな表現を知っている子は、同じ事柄を何通りにも表現することができます。この表現力の差は、短期間に埋めることはできません。 また、表現力は年齢とともに成長していきます。小学生時代によく本を読み作文が得意だった子でも、中学高校と本を読むことが少なくなれば、それに応じて文章を書く力も低下していきます。読書の量だけでなく、質も重要な要素です。高校生で、本をたくさん読んでいるのに小論文が苦手だという生徒の場合、その本が物語中心であるというケースがほとんどです。 読書の質と量の差は、ふだんの勉強の中ではあまり出てきません。英語も数学も、その生徒がどんな本をどれだけ読んでいるかということで違いが出てくるものではないからです。このため、読書力の差は、表面的な成績の差よりも実は予想以上に大きいものになっています。 毎日の読書の目安を、言葉の森では、小学生までは毎日学年の10倍ページ以上としています。小学5年生以上は、切りがいいように毎日50ページ以上としていくといいでしょう。「以上」ですから、50ページ読んでいて面白くなれば更に読んでいっても、もちろんいいのです。大人が普通に読むスピードは1ページ1分ですから、子供たちの読む本では、50ページは30分から1時間ぐらいかかる量です。 また、読書は毎日読むことが大切です。1日おきに読むとか週に5日間読むとかいうことでは習慣にならないために結局何も読まない生活に戻ってしまうからです。 どうしても読書の時間が取れない受験生の場合は、受験勉強も兼ねて、長文音読と問題集読書で読書の量の不足を質の上昇でカバーしていくといいと思います。問題集読書の場合も、1冊の問題集を繰り返し読んでいく方が何冊もの問題集を1回ずつしか読まないよりもずっと力がつきます。繰り返しの目安は4、5回です。しかし、繰り返し読む勉強は退屈なので、繰り返しているうちについ斜め読みになってしまいがちです。斜め読みにならないようにするためには、読んでいるところを指でなぞりながら読むようにするといいでしょう。その際、指の動くスピードを一定にすると、読解力の重要な要素である速読速解力もついてきます。読むことに時間のかかるいちばんの原因は、一度読んだところをもう一度戻って読む癖があることです。 作文力とその土台となる読書力は、短期間では身につきません。作文や読書は、勉強というよりも生活の一部とするようなつもりで勉強を進めていってください。 |
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