塾のナマケモノ君 |
イチゴ | の | 森 | の広場 |
ナズナ | / | あもせ | 小4 |
私は、塾に通っている。 |
とても楽しい塾で、友達がたくさん作れる所なのだ。 |
その中で、大親友ができた。大親友はとてもかしこく、いつも私より点数が |
上で、かわいい。それをみて、私はきっとみんなから好かれているだろうな、 |
と思う。 |
ある日だった。大親友がバタバタ走って私の所へ来た。すると、大親友はニ |
コッと笑ってこんなことを私 |
に言った。 |
「あのね、私の隣の席のΟΟ君とΟΟさんが両思いなんだって。」 |
私はきんきゅう自体なのかと思ったが、いつも期待はずれで、またそれか、 |
とか、私達にはまだはやいのよとか思う。 |
そのまたある日、大親友はまた走って来た。その時私の心の中で「なに?ま |
たアベックの話するつもり?」とひびいた。しかし違った。大親友が言葉を終 |
えてから大打撃を受けた。 |
「あのね、ナマケモノ(あだな)が、若奈ちゃんのこと、ずっと前から好き |
だったんだって。」 |
ナマケモノとは、仲良しの男の子のあだなで、大親友と私がつけたものだっ |
た。その後の授業で今まで気づかなかったことがやっと気づいた。ナマケモノ |
がちろちろ私の事ばっかり見ていることだ。なぜかその時だけ授業に集中でき |
なかった。 |
家に帰ってお母さんにその事について相談した。 |
「ねえまま、ままってどうやって結婚した?プロポーズされたの?したの?」 |
「どうだったっけ?たぶんプロポーズされたのよ。」 |
私は思わずしーんとしてしまった。ナマケモノは無口だけど馬鹿で、メガネ |
をかけている。 |
それを知ったのは二月十一日でナマケモノの誕生日は二月十三日。私と大親 |
友は一応仲良しなんだから、ナマケモノにプレゼントをやろうと言う計画を立 |
てた。 |
ただ、問題は誰が渡すかだった。結局ジャンケンで決めることになって、私 |
になってしまった。 |
それに、十三日(ナマケモノの本当の誕生日)には、塾がなく、渡せないか |
ら次の日の十四日に渡すことになってしまった。バレンタインデーに渡すこと |
になった私。ナマケモノが誤解するのではないかと思っていた。 |
そしてついに渡す日が来た。「私と恵里子ちゃんから」といってばっと渡し |
た。すると、「ありがとう」 |
その時は死にそうにどきどきした。息がはあはあしてしまった。 |
私はやっぱり、十歳のガキにはまだ青春なんてはやいんだな、と思った。 |