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その昔、ソングラスを
アジサイ の広場
さやか あおべ 高2
 サングラスは今も昔も、「隠れ蓑」としての役割があるようだ。最近対人関
係が淡白になったといわれているが、人々は対人関係のわずらわしさに疲れた
ので、一斉に逃避し、自分自身の内側へこもりはじめたのだ。サングラスは誰
でも自由に、自分自身を消すことができるのだ。
 
 人々がサングラスで自分自身を消したいと思う原因の一つに、管理された社
会というのがある。学校では、成績は常に偏差値で位置づけされ、自分自身は
数字であらわされる。また、いろいろな規制がある。例えば、私の学校でも、
スカート丈は膝下、多額の金銭をもって来た人は、先生に届けを出す、前髪を
下げる場合は眉にふれないように短くする、など、どうでもいいじゃん、と思
えるほんの些細なことまで決められている。いろんな規則に縛られていると、
世間から逃れて自分自身を消したいと思えるのもよく分かる気がする。
 
 また、原因のもう一つは、世間が人のプライバシーを守らなくなってきたと
いうことにある。特に有名人などは、仕事以外の生活もなんでも人の目を避け
て通れない状況にあるようだ。仕事の疲れを取るために旅行にいっても、必ず
カメラがついていくので、結局人目は避けられない。ワイドショーで芸能ニュ
ースが豊富にあるのもそのためだ。そして、なによりも、有名人をそのような
目に合わせているのは、ほかならぬ私たち視聴者であるということも、事実で
ある。
 
 「水清ければ魚住まず」ということわざがあるように、すべてがきれいな世
界になってしまうのも、人間にとってはあまり住みよい世界とも言えないが、
あまりに対人関係がごちゃごちゃしていたり、他人の生活を覗いたりすること
も、人間にとって疲れることだと思う。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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