日本のすばらしさを知ろう |
アジサイ | の | 峰 | の広場 |
由樹子 | / | あるさ | 高2 |
現在、私たちが住んでいる社会では、昔ながらの日本の家は少なくなってい |
る。家の中に畳があり、ござが敷いてあっていろりがあり、その家に帰れば心 |
が和むような家は、私たちが暮らしている都会ではもう見ることが出来ない。 |
「本来、家はくつろぐためにあるのである。」これを発見できた日本人が、何 |
故今日のような日本独特の文化が少しも感じられないような生活をしているの |
だろうか? |
第一に考えられる原因としては、日本の外国に対する意識が関係していると |
思う。日本は江戸時代末期に開国をしたが、それから西欧のものがたくさん入 |
ってきたのは言うまでもないだろう。そのときにあまりの発展の差に驚いたこ |
とも事実だ。そして日本は明治維新という本格的な改革をし、日本の西欧化に |
踏み出した。このときに西欧の製品の豪華さに圧倒されて、日本の「癒し」を |
モットーにした文化の良さを忘れてしまったのだろう。この日本の大事にして |
きた文化が今でも皆の心の中で失われているのである。 |
そして第二に、また私たちは自分の暮らしている風土や気候を感じることが |
少なくなってきていると思う。私たちは海に囲まれ、湿気の多い気候の中で生 |
活をしている。この悪条件の中で私たちの祖先は、いかに冬は暖かく、夏は涼 |
しく過ごせるかを追及してきたはずである。畳や風通しのいい家、部屋の中に |
囲炉裏をつけるなどさまざまな工夫をしてきた。ところが今ではどうか?冷房 |
や暖房に頼りきった生活をしていて、本来、日本で生活するには考えられない |
一見、豪華なように見えるが実は暮らしにくい家の中にいる。 |
確かに、西欧化のおかげでだいぶ日本人が発展をとげられた。それは否定し |
ようもない事実であるし、生活も楽になった。しかし、現代の私たちは、目先 |
の豊さに惑わされて、自分の住んでいる環境を知らなさすぎる。自分のことが |
分からないのに他人のことが分かるはずはない。 |