バニラがついても白米 |
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アメリカでヒットしたケーキミックスを日本でも売るために、炊飯器を利用 |
した作り方を開発した。しかし、ケーキミックスは日本では売れなかった。調 |
査したところ、炊飯器にバニラやチョコレートを入れるということに抵抗があ |
ったことがわかった。日本文化の中では、白米を炊くことは特別の価値を持っ |
ている。 |
僕は、家で米の大切さというのを教えられている。そのため、そのことを考 |
えると、ケーキミックスが売れなかったこともわかる。小さいときから母に、 |
「ご飯の粒を一粒でも残すと、目がつぶれるわよ」 |
といわれてきた。そのため、米粒の一つも逃さずに、食べてきた。僕の友達 |
に、とんでもなく食器をきれいにする人がいる。今はもう、転校してしまった |
が、その人の方法はすごい。少し意地汚いかもしれないが、「食器をなめる! |
!」とにかく、食器をなめ、きれいにする。献立にカレーがあるときには、ひ |
ときわ食器が目立ち、使っていないかのようになっている。「なめたようにき |
れい」というたとえを使っている人がいるが、その人は本当になめている(笑 |
) |
この前歴史の本を見ていたら、ご飯の歴史があった。平安時代には、貴族は |
強飯(こわいい)と言うものを食べ、農民はヒエ・アワなどの雑穀をかゆにし |
てすすっていたという。鎌倉時代の武士は、玄米を食べていたそうだ。そして |
室町時代に、今と同じ炊き方のご飯ができたという。今から約六百年前のこと |
である。そんな昔からあった白米に、特別な感情を抱く日本人の気持ちは良く |
わかる。 |
「腐っても鯛」ということわざがあるが、日本人は、「バニラがついても白 |
米」という考えは出来なかったのである。日本人にとって白米(米)とは、特 |
別な思い入れがあるものだ。そのため、白米をバニラやチョコレートと一緒に |
炊くということは、とても出来ないのだ。それだけ、白米の影響力というもの |
は大きいのだと思う。つまり、白米がない暮らしなど今の日本人にとっては考 |
えられないのである。 |