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達成感が味わえる「1番」 エンジュ の広場
ユッコ あるろ 中1 私の小学校では、毎年冬になるとマラソンがある。女子の中では、毎回1番だが、男子も入れると1から3番ぐらいだ。  

 やはり、6年生でもマラソンはあった。最後のクラスの中でのマラソンの日だった。私は、途中でくつひもがほどけないよう結び直した。先生の笛の合図
で、マラソンの火ぶたが切れた。ドドドドド…。そらわない足音が、運動場中に鳴りひびいた。まるで、戦争市に行く軍団の足音のようだった。  

 私は、走るペースを考えた。最初はゆっくり走り、だんだんペースをあげるという考えだ。だから、最初は、最後から数えた方が早いというのはあたりま
えなのに、気持ちはあせっている。こんなに離れていて、追いつけるかな。いろいろなことが頭の中をかけめぐっている。そのうちに半週が過ぎた。そろそ ろ、ペースをあげようかと考えた。その時の1番と私の差は、100メートルもある。しかし、少しペースをあげると、とたんに前の人においつき、ぬかし のくり返しだった。とても気持ち良かった。でも、女子をぬかす時には、少し気まずかった。でも、勝負事だからと思ってぬかした。2週目の時には、あと 5人ぐらい前にいた。さらにペースをあげた。5人ともばらばらになって走っているので思わず難しい顔をしてしまった。少し息もあらくなってきた。でも 、こっからが腕のみせどころやと思って走り続けた。しんどいけど一番にならんな。男子は女子をいつも体育で馬鹿にするから、私が一番になって女子の力 を見せつけてやんねん。横っ腹が、痛いけど、これぐらい、いつもなることだから大丈夫。自分で自分を励ました。三週目の終わりには、もう、一番前の男 子のすぐ後ろで走ってた。よし、この調子で四週目は、ダッシュに近いくらい走ろうと思った。腹が痛いことと、息をするのが少ししんどいだけで、まだ足 は、つかれていなかったからそう決めたのだ。いっせいのうでとこころなかでいってからはしった。ぬかそうとすると、相手も、同じように走った。私は、 外側、相手は内側。なんとしてもぬかさないと、今自分は、相手より体力を損しているのだ。今がんばらないと一番は取れない。こういう時は、最後まで走 りきった方が勝ちだ。我慢。我慢。私はそう体に言いきかせた。何十秒かたった時相手は、元のペースで走ってくれた。やった一番は私のものだ。そう思い ながらもダッシュでしばらく走り続けた。ゴールの線をこした。私は、草原をかけまわっているような気分で、ゴールの線をこした。  

 私は、目標の一番が達成できたのでとてもうれしかった。
 

 一番になるということは、とてもとてもがんばらないと達成できないことが、わかった。また、とてもうれしく、とても達成感が味わえるということもわ
かった。がんばってよかったと思う。  

 
                                               
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