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三本杖 |
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アジサイ |
の |
泉 |
の広場
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ナズナ |
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あもせ |
小5 |
一本の杖の先が三つに分かれた杖を必死で握りながらも、おばあさんは、また散歩をしている。どうやらそのおばあさんは足が悪いらしい。適した治療法 |
もなく、最終手段が散歩だった。 |
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私はずっとそのことについて考えていた。だって、歩けないは歩けないでそこそこ生きていけるのにどうしてあきらめないのか…そのことだった。だけど |
、おばあさんは毎日、毎日必死で歩いていた。 |
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ある時、私はテレビを見ていた。チャンネルを変えていくと、ふと、目に入ったものがあった。寿命がわずか数週間の少女の話だった。これは学校の友達 |
の中で話題独占中のドラマだ。 |
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「私はね、確かに後わずかの命だけどね…、でも私はお母さんとお父さんが一生懸命育ててくれたんだよ。だってお母さんとお父さんっていったって何百 |
万、何億分の一という確率なんだよ。それでも神様がくれた大切な手や足だから…。もう死ぬってわかっていても…やっぱり神様がくれた大切な手や足…! |
!だからたとえ数週間であっても・・!その数週間を一生懸命生きたい!!今を大切に生きたいの!」 |
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私は何かピンときた。思わず続けてみてしまった。 |
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「だから…命が短くても一日でも生きたい!!…やっぱり…神様のくれた生命だもん。一秒でも多く生きたい…だからーーーーーーーー…………。」 |
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私は呆然としてふと、思いにふけった。テレビでは少女の家族たちが泣く声がきこえてくる。しかし、わたしには聞こえなかった。 |
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ある学校帰りの日…、 |
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「ねえ、昨日、アレ見た?」 |
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私は少しにぶい声で、「うん。」こたえた。 |
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「ねえ、じゃあ問題!あの後少女はどうなったと思う?」 私はあの後呆然として見過ごしたのですっかり内容を忘れてしまったが、多分死んでいないか |
と思った。それは、ドラマ上、後一週間の寿命ということになっていたから、死ぬはずないと思っていた。 「ぶっぶー!!あの後少女は死んだんだよ!『 |
一秒でも多く生きたい…だからーーーーーーーー…………。』と言った後にね。」 |
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ある日またおばあさんが歩いていたが今日はいつもと違った。なんと杖を持っていなかった!! 「なるほど。」 私はテレビのことを思い出した。 |
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「だからおばあさんは歩けるようになったんだね。」 そして私は風のように駆け抜けた。大切な足を大地に踏みしめながら…あの時のおばあさんのよう |
に……………… 歩いたり走ったりすることに夢中になった!! |
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