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中1 |
数年前、森林関係の研究所に勤務している研究員の所に、村長に訪ねて来た。希少価値の天然の桧が大きく育っているから一番高く売るにはどうすればよ |
いのかが、村長の質問だった。玄関の表札にして売るのが有利だというのが研究員の答えであった。だが、村長は、大木が細切れにされることなど容認でき |
るはずがなかったのである。 |
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その物の価値を、現金としてみるのだけではなくて、その物に合う形を求めている村長の姿を、思い浮かべると、よっぽどその大木に愛着があるんだろう |
。利益ばかり考えていても山はただの商品に過ぎない、そうすると大木はただの棒切れになる。プレゼントをもらったとしても値段のことばかり考えていて |
意味がない。そうしたらきっと、世の中は、金欲まみれになるであろう。 |
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だが、村長や職人の熱い思いで支えられたのだと思う。 |
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