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ノンフィクションの書き手は、在るものを映そうとし、フィクションの書き手は、在らしめるために創ろうとする。 |
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ノンフィクションのライターにできることは、事実の断片を収集することでしかない。加賀乙彦のいう「真実」とやらに到達することは不可能であり、事 |
実の核といったものを掘り出すこともできない。断片と断片のあいだはついに埋まらない。事実の断片を断片として提出する。それはこの世に万人が認める |
唯一無二の絶対的な事実があるのではなく、個人にとっての事実しかないという立場を承認することでもある。つまり、ノンフィクションとは、事実の断片 |
による、事実に関するひとつの仮説にすぎないのだ。 |
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(続きます) |
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