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差別のなくなる世の中 イチゴの広場
香奈子いし

 「あなたは差別をしませんか?」
 

 私は強くうなずいた。人間同士で差別などあってはならないはずだ。しかし、実際は在日外国人を見て心なしか違うものを感じている自分に気づ
く。私のように無意識の中、異国人に冷たい目を向けてしまう人々が存在する。欧米では差別意識がごくあたりまえに存在する。それは、9月11日 の事件後にも感じられた。  

 9月11日、ニューヨークのビルに旅客機が衝突した。あまりに緻密な衝突である事から合衆国政府は人為的犯行とみなした。その事件は世界に
あまりにも衝撃的であった。しかしそのおおきな事件の裏には日本にとってもっと衝撃的な事実が隠されていた。  

 日本の代表、小泉氏は迅速な対応をとった。日米友好条約を結ぶ国の代表として。そして湾岸戦争の二の舞を踏まないようにと。しかしアメリカ
はそんな日本の態度など見向きもしなかった。小泉氏がアメリカを訪問しようと我関係なしの様子であった。イギリスの首相が訪れた時は、「アメ リカの親友が来た!」などと胸弾ませていたのにだ。この事件の後、アメリカの日本に対する深層心理が明らかとなった。しょせん日本はアメリカ に負ぶさる子分に過ぎないのだ。そんな状況には憲法などの要因が存在したためというのもあるが、アメリカの人々は結局日本人は自分たちより下 の民族であると思っている。過去に比べ現象はしたもののそうした『差別』の目が存在することは事実である。  

 あたりまえのように人々の心の中に存在する『差別』の意識をなくしていくのは至難の事である。
 

 『差別』をなくす方法として2つのことが重要となる。1つは古い人間から差別の意識をとることだ。
 

 1980年代アメリカである授業が行われていた。あまりにも盛んな黒人差別をなくすために行われていたものだ。それは、子を持つ母親、教師
、監獄官に行われた。ある1人の教師が黒人と白人の存在する教室の中で、白人に対しのみ差別的な態度をとり続けるのだ。普段、白人が黒人にと っているだろうとみられる態度だ。その授業を受けた白人はあまりにも残酷な行為を黒人にしてきたことに気づく。そして初めて差別がどんなにひ どいものかを知る。この授業を行った教師は『差別』の本質を教えるべき立場の人々に『存在すべきではない差別』を知ってほしいと望んでいる。  

 『古い人間の考えを修正する事』の他に『それを地道に広げていく事』が差別をなくすためには必要となる。
 

 黒人が白人に残酷な犯行をされている時、周辺にいた人の中に1人くらいは心が痛む人が存在したはずだ。なのに見てみぬふりをしてしまった。
許しがたい『差別』を世界からなくすためには1人1人の少しの努力と小さな勇気が大切なのだ。  

 『差別』という問題は歴史的な事が原因であったりもするため世界中からなくす事は難しい。だからといってこのままの世界で納得してしまうの
は許せない。ほっておいては世界中でテロが増大してしまう。平和、平和と世界で謳歌するのであれば、差別はなくしたい。そのために個々の気持 ちの中に存在する差別意識は個々の努力でなくしていくべきだ。「人という字は人と人が支えあってできてる…」とあるテレビのドラマで髪の長い 先生が言っていた。本来の人間とはそういう姿であるべきだ。そんな支えあう人々の溢れる世界になっていきたい。  

  
                                     
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