先頭ページ 前ページ 次ページ 最終ページ
初暴走族  オナガの広場
バンビいそせ小6 初暴走族  

 
 

 一月二日、朝五時、曇り空の間から月がうっすらと静かに光を注いでいる。私たちは、眠い目をこすり、「こんな朝早く・・・」なんてぼやきな
がらも急いで車に乗り込み、母の運転により“のびる海岸”へ向かっていた。“のびる海岸”はキャンプで二、三度行ったことがありいくらかなじ みがある道だったが昼間いくのとは全くわけが違い、見たことのない道に感じられ、私は景色に魅了されていた。そんなまわりの景色にあきてきた ころ、車の中もあったか~く、ちょうどいい温度、そして私はうとうと・・・眠気に襲われて・・・かくんっ・・・ぐうう~。  

 一気に眠りの世界へご招待されてしまった。
 

 「うっわあ~すっげえ~」大興奮状態の姉の声が聞こえ私は目を開けた。「もうついたのか・・・眠い」なんて思いながらむっくり起き上がると
外はまだ暗いしあさひなんてじょうだんじゃない、空に無数の星が輝き、月がついてきている。「何考えてんだ・・・」なんて思いながら外を見る と・・・こりゃおったまげた!!!ぶおんぶおんバイクを鳴らし、どうみても普通とはいえないにいちゃんたちがでっかい日の丸の旗をふりふりし ながらすっごく楽しそうに赤信号、無視してるじゃないか!あっけにとられていると、その後ろから何台ものライトをチカチカさせたかっちょいい 車たちがぞろぞろついていく・・・。その大行列にまわりにいた普通の車たちはかちかちにこおっていた。当たり前だ。だってからまれたりしたら たまったもんじゃないし、殺されるかもしれないもんね。(?)その時、母がしみじみと「あれで死んじゃう暴走族、いっぱいいるのよね。」なん て語りだした。「この間もね、うちの病院の近くで事故起こして一人しんじゃったのよ・・・いっぱい仲間たちがお花あげにきてたわよ・・・。」 と、それを聞いて思った。もしかしたら普通の人より、暴走族達のほうがずっと仲間っていうものの団結が強いんじゃないかな・・・と。だって私 達は口で「仲間」なんて調子のいいこといいながらそれを簡単に捨てていくもんね。いざとなったらぽいぽい。だからといって暴走族になりたいな んてぜんぜん思ったりしないわけだけどちょっとそういう仲間の形に憧れる。  

 ぼおっとそんなくだらないことを考えているうちに“のびる海岸”に着いた。まだいっていなかったけれど、私たちは日の出を見に来たんだ。暴
走族を見に来たんじゃない(笑)  

 地平線から太陽が昇って海が真っ赤に染まっている。おばあちゃんもうれしそう。ざぶんざぶん打ち寄せる波に夢中になっていたらあることに気
がついた。太陽は海を渡って一直線に私に向かって伸びていて、まるで私だけに光ってるみたい!姉も同じことを言って喜んでいる。その後、私た ちは亀の骨を見つけた。なんか縁起がいい!いい一年になりそうです。  

     
 

    A HAPPY NEW YEAR!!
 

 
                                       
ホームページ