| 本当の豊かさ |
| アジサイ | の | 空 | の広場 |
| 風間 | / | こと | 大2 |
| 私達の住む日本は誰が見ても『豊かな国』である。教育の基盤が確立し、そ |
| の上に経済、政治がきちんと成り立っている。しかし『物理的な豊かさ』はあ |
| るが『精神的な豊かさ』は無くなった、と言われるように自分の家族を含めて |
| 人と人との関係が希薄になったり有限な自然に関心を持たなくなったのは事実 |
| である。『物理的な豊か |
| さ』を手に入れ私達の生活は格段に向上したが、その一方で『精神的な豊か |
| さ』を犠牲にしてしまった。最近になって、その犠牲にな |
| った『精神的な豊かさ』を取り戻そう、という動きが出てきた。私達が『精 |
| 神的な豊かさ』を取り戻すためにどうすれば良いか。 |
| よく教育テレビでアメリカのホーム・コメディが放送されている。番組に登 |
| 場する家族は決まって三世帯同居の大家族で賑やかに和気藹々と楽しく暮らし |
| ている。この番組を私達、日本人が見れば誰もが、このような家族に憧れる。 |
| しかし実際のアメリカでは、このような家族は都会では何十年も前に消滅して |
| いるそうだ。アメリカ人は理想の家族を創るために、この番組を作ったのかも |
| しれない。『精神的な豊かさ』の原点は家族にあるのだと私は思う。 |
| だが最近では離婚も身近なものになり『バツイチ』も珍しくなくなった。近 |
| 頃では『シングル・マザー』も急増している。自由な恋愛ができる証拠かもし |
| れないが、それだけ人と人、家族の絆(この表現自体、古臭いかも)が希薄に |
| なってしまったことの象徴である。 |
| 先進国の『家族体系』は急速に変化をしている。その変化は私達個人を様々 |
| な束縛から開放した。だが、その代償として『家族』を犠牲にすることとなっ |
| た。最近では新聞やテレビどれも『家族危機』を訴えている。私達の社会の基 |
| 盤は家族である。家族が集団化して地域を形成し地域が社会を形成し社会が国 |
| を形成する。一番の根本である家族が、これ以上、揺らいでしまったら私達の |
| 国は大変な事になってしまう。映画『ライムライト』でチャップリンが『人生 |
| に大切な物は勇気と想像力と少しのお金だ』と言った。私はこれに『家族を大 |
| 切にすること』を付け足したい。 |