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本当の家具
イチゴの広場
太公望うの中2
 百年以上家具を使ったという例は別に珍しくはない。無垢の天然木を使って
いれば、ほんの少し修理したらまた使える。それに比べたら、車や家電製品は
ほとんどのものが十年以内の寿命である。そして、十年も使い続けた後は、ほ
とんどの場合鉄くずの価値しかない。例えば、良いテーブルの上では、自然に
毎日の食事をより大切に味わうようになる。私たちの眼の前にある食物となっ
ている自然の恵みに感謝しながら食べられるのも、無垢の木のテーブルだから
こその効果だ。なにしろ木というものは、種から発芽して数百年から数千年生
きる生命力を基本的に備えている。そういう基本的な生命力を人間が木や年輪
から感じ取るだけでも意味あることだ。木の生き方こそ、二十一世紀という環
境の世紀のためにもぜひとも我々人間は学ぶべきであろう。
 
 百年以上の家具を家で使っているところはそうないと思う。それより、本当
の木で作られた家具を使っているところもあまりないと思う。みんな見ためは
木のプラスチック家具を使ってくる。本当の家具の長所は、木のぬくもりや温
かさを感じるものである。このおかげで、精神的に心が休まる感じがする。よ
うはリラックスである。それにプラスチック家具は、合成接着剤が原因でハウ
スシック病になることである。この病気は、頭痛などをおこすといわれている
。そのため最近本当の家具が再び注目されているのである。
 
 童話で「三匹のこぶた」という話がある。これは、一人暮らしを始めたこぶ
た三匹は、おもいおもいに家を作り始めたが狼に、二匹のこぶたは家を壊され
最終的に煉瓦で家を作ったこぶたに助けられた。やはり、時間をかけてゆっく
り作った家のほうがいいのである。
 
 人間のなかには、木の家具が嫌な人もいるかもしれない。しかし、木と人間
というものは切っても切り離せない関係であると私は思う。「大切なのは、健
康らしい外見ではなく、健康自身である」という言葉もあるように木に似せた
家具より本当の家具の素晴らしさを理解することが非常に大切である。