ひとこと
マルチメディア
アジサイの広場
吉見こと大1
 
 一人暮らしをしている友人がインターネットを使って自分の実家の方の地方
新聞を読んでいた。今日の社会は新聞など買わなくともボタン一つで世界中の
新聞が見られる社会である。新聞だけに限らず、文字、音声、動画、画像、あ
りとあらゆる情報が手軽に一瞬の内に流れ込んでくる。この「手軽に一瞬の内
に」というのがマルチメディアなのである。情報社会といわれる今日の社会の
中で、このマルチメディアは私たちに何をもたらすのか。
 
 今、個人のホームページ作りがブームとなっている。自分の趣味や仕事の紹
介など様々な分野で使用されている。インターネットを通して自分という存在
を世界中に発信できる時代なのだ。これは多くの可能性を秘めている。個人が
情報を発信し、個人で情報を受信する。ありとあらゆる分野で情報公開という
波が押し寄せてくる。これまで情報を流す事をタブーとしていた行政も、そう
はいかなくなる。マルチメディアには国そのものをも変える力があるかもしれ
ない。
 
 しかし注意せねばならないこともある。せっかく手に入れた情報でも、それ
を消化する能力がなければ宝の持ち腐れである。それには押し寄せてくる情報
という波に押し流されない強い主体性が必要である。誰かが「情報化社会とい
っても正確な情報は、そのなかの五パーセントもあれば良い方」と言っていた
。もし、そうなら、その五パーセントを見抜く力を養わねばならない。
 
 マルチメディアは私たちに様々な力を与えてくれそうだ。しかし、その力を
間違って使ってしまう事もある。自分の知られたくない情報も気付かない内に
知れ渡ってしまうかも知らない。「マルチメディアは簡単に情報を発信、受信
するだけのものではない。情報を通して私たちに考えさせ、そして行動を喚起
させるもの」なのだ。