ひとこと |
身体 |
アジサイ | の | 丘 | の広場 |
寛則 | / | えう | 高3 |
人類が平和に暮らすことは人間誰もが望んでいることだと思う。争いごとな |
どなく、仕事や勉強などのような辛いことをやらずに、空気が澄んでいて緑が |
あふれ、野ウサギのような野生動物に囲まれながら美味しいものを思う存分食 |
べてのんびりと暮らす、というような「夢の世界」が存在するのならば、現代 |
の人々はその世界に流れ込んでいくだろう。しかし、仮にこの「夢の世界」が |
実在したとしても、そう長くは続かないと思う。それは、人間は飽きやすい性 |
格であるだけでなく、常に何かを求めるところがあるからである。やはり、人 |
間にはある程度の刺激が必要であるのではないだろうか。 |
時代を一万年程度さかのぼってみると、この「夢の世界」に近い世界が存在 |
していた。人類が誕生してしばらくの間は、自然もありのままに残っていたし |
、争いごとがなかったどころか貧富の差でさえもない時代である。医療や食糧 |
など、技術的な面を除き表面だけを見ればまさに平和を絵に描いたような世界 |
に思える。しかし、食糧確保のために狩猟や採取を行い、いずれ自ら作物を作 |
り出し、保存を始めるうちに貧富の差が生まれ、村長が誕生し、争いごとが起 |
き、と言う感じで現代にいたっている。もし、私達がこの一万年前のような時 |
代にタイムスリップして生活したとしても、同じようにこの「夢の世界」を壊 |
してしまうかもしれない。これは人間が飽きるということだけでなく、進歩を |
強く望み始めるからだと思う。 |
ところで、ものすごく忙しい時や学校の授業が嫌でたまらなくなった時に、 |
一年、又はそれ以上の休みがあったらどれだけ幸せだろうかと考えることがよ |
くある。しかし、いざその期間を与えられると、思ったほどの感動がないので |
ある。その度に、本当に自分にとって幸せなのはどちらなのか考えてしまう。 |
本当に大切なのは、一切の苦労もなく自由気ままに暮らすことではなく、苦 |
労しながらも自分で幸せをつかんでいくということではないだろうか。平和の |
中にも進歩があるような世界が本当の「夢の世界」となっていくと私は思う。 |