ひとこと(4月4週)
やる気
アジサイの広場
吉見こと大2
 
 よく母親が自分の子供に、今度のテストが良かったらお小遣いをアップして
あげる、ということがある。無邪気な子供は、それならがんばろうという気持
ちになって勉強にはげむ。しかし、単にこれは親が賞罰によって子供をコント
ロールしているのに過ぎない。確かに賞罰による効力はあるが、その効力はい
ずれ弱くなるはずである。親に必要なのはできるだけ子供の探索や発見を奨励
し、子供なりの知識の体系や価値観が形成され、さらにそれが自覚化していく
のをサポートしていくことである。
 
 その一つが、子供にいろいろな興味を持たせることである。最近、夏休みだ
け田舎にホームステイする都会の小学生の数が急増している。都会の子供が、
田舎の生活を体験する、というこの企画は予想以上の反響を呼んでいる。実際
、この企画に参加した子供は、見たことの無い物が多くてとっても面白かった
、といっていた。子供たちの、このような経験が興味、好奇心となって、やる
気を起こさせるのではないか。賞罰ではない、こども自信のやる気は賞罰の何
倍もの効力がある。
 
 もう一つは、そのやる気をもった子を温かく見守ること、である。これは子
供の活動や自己向上が促進されるような環境条件を整えてあげることでもある
。子供は自然の生活の中で知らぬ間に多くの望ましい特徴を発達させていくも
のだ。かのタイガー・ウッズもこの典型例である。
 
 この今日の社会で、親が子供にこれらのことに、いつも気を配って生活を送
るのは決して用意ではない。しかしこれらの条件さえ整えば子供は放っておい
ても成長するものだ。気をつけねばならないのは親がこれにむしろブレーキを
かけないことである。良い馬は坂を欲する、という。子供に坂を歩ませるのも
時には必要だろう。