ひとこと(4月4週)
大人になって
アジサイの広場
乱月あし高3
 
 幼い頃誰もが抱く素朴な疑問。そのことについて両親は返事はその子の将来
を大きく変える。一般的な意味で正しい答えを出してみる。子供は意味が深す
ぎて全く納得できないだろう。物語を作って、もっともらしく答えてみよう。
彼は彼の中での答えとしてその答えと考えを共にし、納得をする。今日の人々
は極端に一般的な意味での答えを好み、逆に物語的な答えを激しく非難する傾
向にある。
 
 私達は今日の子供たちを教育するに当たって、どうしても一般的な意味での
答えを用いてしまう。実際に子供たちがマニュアル通りに育つわけでもないの
に、一般的理論で埋め尽くされたマニュアルを使ってしまう。私達はロボット
を作っているわけではない。そんな教育を受けた子供たちは今、心の隙間が埋
まらないで、孤独でいる。
 
 教師の偏った見方で、数十人単位の子供たちの個性を摘み取っては行けない
。そのためには教師の個性をつぶして、あくまで一般的に教育指導を行うべき
だ。そんな事を言うPTAだが,そもそもの原因が彼ら自身にある事を完全に
棚に上げているとしか思えない。彼らのマニュアルにあわせようとする行動が
子供たちをロボットにしているのだ。私の通う高校はひたすらPTAに立ち向
かっている。校長の判断で生徒を下校させた方が良いのにもかかわらず、大雨
の日に頑として授業を続けさせる。おかげで体中びしょぬれになってしまった
。PTAも半分あきれているのかもしれない。しかしこんな学校に通っている
ことを私はある意味で誇りに思っている。
 
 様々な弊害は起こるだろうが、ここは教師が責任を持ってマニュアルを撤廃
し、小人数のクラスを教えるようにすれば良いのではないだろうか。今日の学
級人数は平均30人で、ベビーブームの起こった20年前と対して変わっていない
。教師の志願者が子供の人数に対して年々増え続けている中現状維持とは、抜
本的なことを起こした後の弊害を恐れているとしか思えない。昨今の少年犯罪
は低年齢化を続けている。そんな世の中でもうじきその犯罪の「容疑者」にな
る彼らの教育には、もっと人間性が必要なのだ。
 
 確かに我が子に対する安全な教育を要求したいのは分かる。子供がかわいけ
ればなおさらだ。しかしそんな一般的論理を導く思考が彼らを逆にだめにして
いるのだ。教育の道は教師が最も良く知っているのだ。蛇でも知っているそん
な言葉を、彼らは知らない。
 
 子供はコウノトリが運んでくるもの。大切に育ててあげたい。