ひとこと(4月4週)
大人になってを読んで
イチゴの広場
幸裕あつ高3
 
 子供は不思議と思うことに対して、大人から教えてもらうことによって知識
を吸収していくが、その時、大人が正しい知識を供給したとしても子供は納得
することができないであろう。外的な現象と、子供の心の中に生じることが一
つになって子供は納得のいく答えが見つかる。しかし、現代人は現象を説明す
るための話は、なるべく人間の内的世界をかかわらせない方が、正確になるこ
とに気がつき始めた。私は神話的説明をもっと取り入れるべきだと思う。
 
 そのためには何でも教えようとせずに自分で見つける勉強をさせればよいと
思う。学校ではテストにしろ、実験にしろ答えは一つであるという風潮がある
。学校でただ正確な知識ばかりを身につけさせるのではなく、疑問に思ったこ
とに対して自分なりの説明をつけさせることが想像力豊かな夢を持った人間育
てることにつながると思う。
 
 次に大家族を増やすことである。昔の日本の家庭にはおばあちゃんやおじい
ちゃんがいて昔話を孫にしてやるといった光景がよく見られたと思う。しかし
、現代は核家族化が進み、昔のような光景は見られなくなった。
 
 毎日新聞の調査では神や仏の存在を信じる人が51%で年齢の高い人よりも
20歳代の人の割合がとくに高いのが目立った。現代の若い人達の親は日本の
高度成長期の中を生きて、近代テクノロジーの発展を目の当たりにしているた
め現代にふさわしい正確な人間を育てようとしていたのだと思う。しかし、現
代の若い人たちは何もかもが親のいったとおりの世の中に憤りを感じ、人間の
内的世界に救いを求めているのではないか。
 
 これからの将来、より現実的な人間が増えることが予測される。そのため、
大人が子供にもっと神話的説明をし、人間の内的世界を大切にしていくべきだ
と思う。
 
 正直は一生の宝という言葉があるが現代の世の中では正直すぎるとかえって
疲れてしまう。言い換えれば不正直は一生の宝である。
 
 例えば桃太郎などの昔話を知らない大人が増えたらこの世はもっと寂しくな
ると思う。