ひとこと(4月4週)
「大人になって」を読んで
アジサイの広場
正之おき高3
 
 子供は、「ふしぎ」と思うことに対して、大人から教えてもらうことによっ
て知識を吸収していくが、時に「ふしぎ」なことに対する自分なりの考えを見
出し、満足している。そのときに、その子なりに納得のいく答えがあるものだ
。しかし、それは次第に都合の悪いことが出てくる。そこで現象を説明するの
に、「自然科学」が生まれてくる。これは外的現象の理解に大いに役立つが、
神話をまったく放棄すると、自身の心の中のことや、自分と世界のかかわりが
無視されたことになってしまう。
 
 今、我々が自然科学にばかり尽くしすぎ、「神話」を放棄していることに問題
があるのではないか。
 
 私達が科学にばかり重点をおかないで、もっと気楽に生きていくためには、
多忙であるこの社会の中で、もっと落ち着いているべきであると思う。例えば
、推理小説に出てくる有名なシャーロック・ホームズは、常に冷静沈着であっ
たという。そうであっても、ホームズは頭がきれ、観察力、推理力ともに優れ
ていたのである。こうして、常に冷静であっても鋭い人はいるものである。だ
から、とても忙しく落ち着かない今の社会をもう少し落ち着くようにしていく
べきであると思う。
 
 そして、自分の中で空想や夢物語のようなものを作っていくのも良いと思う
。例えば、私は、雷は神様がおこっって起こるものだ、と聞いたことがある。
それを聞いたときは、ただ素直に納得していた。しかし、そういった話を子供
の頃聞いた話だったから納得したであろうが、高校生や大人になってそれを聞
いても、ばかばかしいと思って聞き入れないであろう。社会全体が、忙しくな
って休みもろくにないような現在には、気休め程度であっても、あのような子
供心になるような物語を多少なりとも聞いて受け入れることが大切であると思
う。
 
 確かに、「神話」というものは、論理性がなく非論理的であって人々には理
解させがたいものである。しかし、夢があるから行動するのではなく、行動す
るから夢が生まれる。神話を信じて行動していけば、夢も広がるし、科学との
関連が見えてくると思う。だから、現代は科学という学問の領域ばかりを追求
しているので、そうせずに科学と神話的なもののつながりを見つけることも大
切であると思う。