ひとこと | (5月3週) |
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アジサイ | の | 峰 | の広場 |
T.O | / | いう | 高2 |
人間の持つ「知性」とは、一般に自分たちの利益のために自然を支配するあ |
るいは利用する知識であるが、鯨や象の持つ「知性」は人間とはまったく異な |
り、自然と共存するための知識である。人間たちは、片面だけの「知性」だけ |
を発達させすぎてしまい、鯨たちが持つ本能的な「知性」を忘れてしまってい |
る。その本能的な「知性」を見直すことこそ現在もっとも必要なことではない |
だろうか。 |
片面だけの「知性」の発達の原因は、急速な近代科学の発達に他ならないと |
思う。18世紀のイギリスでの産業革命に始まり、その後日本も含め、さまざ |
まな地域で革命が起こった。それによって自然資源を利用することを覚え、そ |
れらを惜しむことなく消費することによって、その結果物質的に豊かな暮らし |
を手に入れることができた。しかし、その反面自然を減少させることになり、 |
「自然との共存」を忘れることになってしまった。 |
また、人種問題も先ほどの問題の背景にあると思う。特に深刻だったのが、 |
現在でも少なからず残っている白人と黒人との差別問題だった。アメリカを例 |
にすれば、科学的な知識に優れた白色人種が自然をこよなく愛したインディア |
ン族を迫害し、自分たちの考えに従わせた。彼らは自分たちの科学的「知性」 |
だけが正しいと信じきってしまい、インディアンの「自然や人間でない動物と |
共存する」という自分たちのものとは違った思いやりのある「知性」を理解す |
ることができなかったのではないだろうか。 |
自己中心的なことと、自分の持っているものに自信があることはまったく違 |
う。他人を傷付けることを目的としないのであれば、自分の考えや持っている |
能力を押し出してもよいと思う。しかし、「井の中の蛙」のように自分でうぬ |
ぼれているようでは、他人に対して思いやりの心を持てなどという言葉をかけ |
るまでもない、最悪のパターンである。結局、大切なことというのは、やはり |
さまざまなものの捉え方をできるように自分自身で仕上げ、一つの考えに凝り |
固まらない柔軟な頭を作ることであると思う。 |