ひとこと(5月3週)
「私は長いこと」を読んで
アジサイの広場
乱月あし高3
 
 先日新聞の投稿欄に高校教員の意見が載っていた。彼いわく、高校教員にも
大型の連休が欲しいということだった。最近は高校生の覚醒剤乱用、援助交際
などの犯罪が世間をにぎわしていると言うのに、いったい何ということだろう
か。むしろ彼は生徒と友に一日でも多く接していられることをありがたく思わ
ねばならないのだ。教員は周囲の多くの人が自分よりも下の立場だからだろう
か、どうも謙虚さを失ってしまう傾向にある。平気ではばかるようになり、向
上心を失うようになる。しかしこのことは教員だけでなく、日本の国民全員に
も言えることではないだろうか。このうぬぼれがいつかこの国家をつぶすこと
になろう。
 
 日本人の多くがつい50年前まで発展途上国だったと言う事実を認識していな
い。そのため変なエリート意識が生まれ、つい自分が一歩前にいるのだと誤解
してしまいがちになっているのだろう。心の貧しい日本人にならないようにす
るためには、金銭的にも貧しかった昔の自分達を再認識しなければならない。
小学校受験の時に戦後の日本の勉強をしたが、当時のショックはかなり大きく
て当時の豊かな日本と差に非常に驚いた。この経験は非常にためになった。そ
のショックから日本史が嫌いになったと言うのはうそも方便。
 
 また、自分よりしたの立場の人を見ずに、意識的に自分より上のものを見て
いくべきだろう。後ろを向くことからは自己満足しか生まれない。さまざまな
面で日本よりも勝っている国々は存在しているわけで、そんな国々を見ていれ
ば、おかしなうぬぼれや自己満足も生まれないだろう。1945年に戦争も終わり
平和な国へと早変わりした日本だが、当時から比べれば海外旅行も安全に、早
く行けるようになった。当時では考えられなかったことだろう。海外旅行をす
る人たちの人数は年々増え続けていて、96年ではその一年で1650万人にもなっ
ている。どんどん外国に行って、日本にはない物を見つけてくることが重要だ
 
 あまり実感が湧かないにもかかわらず周りを見下す性質があるのはもはや必
然かもしれないが、今後の国際化社会の中で日本がうまくやっていくにはそう
いたったさまざまな点を反省しなければならない。千里の道も一歩からという
が、歩む前にあきらめている日本人には必要不可欠な心構えだろう。
 
 現場の高校教師も、そういった意味でよく勉強すべきだろう。