ひとこと(6月2週)
行列による秩序、秩序が生む束縛
イチゴの広場
ペー吉うき中2
 
 物資を手に入れたりサービスを受けたりするための行列、という社会現象は
、近代の工業化社会に特有のものである。先着優先の平等主義がないところで
は、行列は発生しない。行列は、それができた途端に相互監視をしなければな
らない。。目を常に周囲に配り、一定の間隔を開けないように前に進むのだ。
民主主義には均質性が必要。行列は、工業化社会が民主主義の母胎であること
を象徴している。
 
 私は、行列は大切だと思う。身分や地位、人種に関係なく、全員が平等に参
加できるからだ。また、行列がなければ、現代社会は非常に混乱するだろう。
行列というルールがあるから、混乱することなくサービスを受けられるのだ。
現代の社会は、行列というルールがあることを当然の前提としている。例えば
、駅の改札口やスーパーマーケットなどでできる行列で、もし順番が守られな
かったとしたら、大変なことになるだろう。まさに滅茶苦茶になってしまうの
だ。これが、あまり行列のできないスーパーマーケットなどならばまだいいの
だが、これがディズニーランドやらワンダーエッグやらのテーマパークで、行
列のルールが守られなくなると、ひょっとすると死傷者まででるかもしれない
。行列というルールがあるから、現代の工業化社会の秩序は守られていると言
ってもいいだろう。
 
 しかし、行列のルールだけでは不完全なところもあるだろう。ただ行列をの
ばしていったのでは、そのまま店の外へいってしまったり、などとスペースの
問題が出てくる。だから、状況に合わせて、行列のルールを少しずつ変えてい
くのが大切である。例えば、一時期社会的なブームを引き起こした「たまごっ
ち」。あれは、最初は店に行列ができていたのだが、次第にそれでは追いつか
なくなっていった。そこで、ブームの終盤では、抽選で当たった人にのみ買う
権利がある、などの方法をとっていた。公衆トイレや公衆電話などの、いわゆ
るフォーク並びもこれに属するだろう。どこが空くか分からないから、真ん中
に並ぶわけだ。これも、できあがった行列のルールを改造する例だろう。
 
 「できあがった規則をなんとか守ろうとすることよりも、実態に合わせて規
則を変えていくことが、真に規則を生かす道である」という言葉もある。行列
は社会的には大切だ。いまの社会は、すべてがこれを前提にしているといって
も過言ではない。だが、その行列のルールをなんとか守ろうとするよりも、時
と場合によって、行列のルールを少しずつ変えていくことも必要だろう。どん
な状況でもルールは欠かせないが、ルールに縛られてはいけないのである。