ひとこと(6月2週)
成長
アジサイの広場
吉見こと大2
 
 漫画日本の歴史なので、よく昔の偉いお坊さんの話がある。漫画なので大げ
さな表現も多いが少なくとも人に向かって法を説き、ひとかどの救済者として
自立するほどの人だということが分かる。最近「平穏無事でふっくらとしたお
顔のお坊さん」をよく見かける。私は、そんな顔を見るとすぐに「坊主丸儲け
」という言葉が頭に浮かんでしまう。私の考えは古いかもしれないが、お坊さ
んならお坊さんらしくして欲しいものだ。それは、お坊さんに限らず政治家や
医者、先生にも言えることである。特に政治家には政治家としての心構えが少
しも感じられない。人が人として堕落せず成長するにはどうすればよいか。
 
 一つ目は一つの所に安住しないことである。私は大学に入ってアルバイトを
始めた。どのバイトも最初の内は緊張して一生懸命するものである。が、しば
らくすれば、その空間の雰囲気に慣れてしまい、ある程度の息抜きを覚えてし
まう。確かに慣れたバイトは楽だが、そこではもう自分は成長しない。一つの
職業に安住することなく、いろいろな職業を体験すれば、その空間ごとに違っ
た刺激を得る。その刺激が人を成長させる。
 
 二つ目は絶えず自分は評価されていると思うことである。これは大学生が異
常なまでに自分のおしゃれに気遣うような外見の問題ではなく、自らの中身の
問題である。他人に評価されている、と思えば軽はずみな行動はしないはずで
ある。その心構えが自らを際立たせる。
 
 自分が成長しなくても今の生活が平穏無事に維持できるなら別に成長しなく
てもよいかもしれない。だが成長しないことほど意味のないものはない。人の
洋服はその人の人柄を表す、と言う。洋服に着られるのではなく、洋服を着こ
なすような人生をしてみたい。