ひとこと(7月2週)
経験と知識  ~~覚えさせる場所の違い~~
アジサイの広場
拓馬ねき中1
 ―――経験と知識―――これは、常に組み合わせて使われる。しかし、意味
は実に対照的である。「経験」は自らの体を動かして自らの目当てとなるもの
を実際にすること、「知識」は頭の中に記憶された論理や法則である。つまり
簡単に言うと、「経験」は体に、「知識」は頭に覚えさせる、または感じさせ
るということである。「経験と知識」は遠いようで近く、近いようで遠いもの
なのである。その「経験と知識」どちらが重要か考えると、私は経験の方が大
事だと思う。
 
  理由を挙げるとすれば、「経験」は、言葉では言い表せないようなことを行
動などを通して覚えさせてくれることである。例えば、「この食べ物は、甘み
の中に酸味が混ざっていて、とてもまろやかだ。」といわれても、どういう味
か分からない。分かるはずも無い。しかし、食べてみれば、「なるほど、そう
言う味かもしれない。」と納得するであろう。他にも、「火は熱い」といわれ
ても、火を触ったことが無ければわからないし、「水は冷たい」といわれても
、触らなければ分からないし、「石は硬い」といわれても、「国語は難しい」と
いわれても…………と、とても多くのものが、経験を通じて理解している。
 
  もう一つ理由を挙げるとすれば、「知識」に頼りすぎることの悪い点である
。本などで得た知識をそのまますればいいと思ってしまうことなどである。例
えば、仕事をしていて、まだ一年もその仕事に就いていないけれど、それまで
はマニュアルどうりに仕事を進めていて、なんの問題も無くきちっとできてい
た人がいたとする。ここで、台風などの防ぎ用の無いトラブルにみまわれたと
する。このとき、まだその仕事に一年も就いていないその人は、これからどう
なって、それに対してどう対処すればいいかがわからず、右往左往してしまう
だろう。何せ初めてのことで、しかもどんな本を見ても対処法など載っていな
いのである。しかし、経験深くこのような事には何度も見まわれている人は、
すぐに対処法を見付け、その場を切り抜ける。あらゆるスポーツにも同じ事が
いえるであろう。このように、「経験」が大事な理由は、身の回りにたくさん有
る。そして、いたる所に存在している。
 
  「持続は力なり」とはよくいったものである。始めたばかりで、何でもで
きるわけがない。言うは易く行うは難し。どんなに論理を知っていても、実際
にやれば、全てあっていると言うことはまずない。続けていれば、人は賢くな
り強くなる。前にやった過ちは繰り返す心配は少ないからである。その過ちが
少なくなっただけ人は賢く、強くなっているのだ。だからと言って知識をつけ
ないままでもだめである。知識は経験をサポートする縁の下の力もち的存在で
、経験はその縁の上で『自分』と言う役者を演じているのである。