ひとこと(7月3週)
得意を伸ばすか苦手をなくすか
アジサイの広場
山口晃弘あう大1
得意を伸ばすか苦手をなくすか
 
 
 
 山口 晃弘
 
 
 
  戦後最悪とも言われている現代の不況において、総合電気機器メーカーが
、生き残りをかけて、いままでの多様な製品を販売するのをやめて、その企業
の競争力の核となる製品のみに力を入れる方針をとりはじめた。そのような意
味で、企業も得意を伸ばすか苦手をなくすか選択を迫られているといえる。
 
  好景気のときは、各部所間の力関係や対立があったとしても、それほど業
績のない分野、つまり、苦手なものを保有、または、その分野の業績の向上に
力を注ぐことが可能だった。しかし、景気が悪くなり、とりわけほとんどの電
気機器メーカーが経営不振におちいっているなかで、苦手分野を持ち続けるこ
とができなくなった。したがって、営業成績が上がらない分野を切り捨てて、
得意な部門を伸ばすことによってこの不況下をのりきろうとすることは当然と
言える。では得意分野を伸ばすためにはどうするべきであろうか。
 
  そのためには、なにが得意で、なにが苦手であるかを明らかにすることで
はないだろうか。これは経営資源分析といわれていて、一見すると容易なこと
だろうが、実際はかなり難しいことで、いままで得意なことと思っていたこと
が、実は、そうでもなかったり、また反対に苦手だと思っていたことが、実際
は得意であることが分かったようなことは、よくあることである。
 
  確かに、得意な部門のみに力を集中させると、環境の変化に対応すること
ができなくなるおそれがある。しかし、全てに効くという薬は、何にも、たい
して効かないのと同様に、全ての部門を保有しても、どの部門においても成果
を上げられないことも考えられる。結論をだすのが難しいが、得意な部門に絞
り込む方向に転換する大胆な発想がもとめられていると思う。