ひとこと(7月3週)
庭は原始社会では
アジサイの広場
T.Oいう高2
 庭は原始社会では、活動的な共同生活が営まれていた生活集団の広場だった
。やがて階級制度があらわれると、権力者が自分達貴族同士だけでスポーツを
楽しみ、一般市民には閉ざされたものになった。そういった「庭園」は、時代
を追うに連れ、活動的な生活が行われている世界から俗を離れた観念的かつ趣
味的世界に変わってゆき、公共性を失った。日本の名所には何かと「**禁止
」といった看板ばかりたてられ、眺めることしか許されていない。こういった
ものは誰か一人のものにするのではなく、多くの人が触れあえるようにするべ
きである。
 
  私の学校の近所の公園は、昔は日本で最初の競馬場として使われ、現在は
コースが当時のまま残されているが、立ち入っただけで場合によっては捕まる
こともあると言われている。なぜ一般公開しないのかという疑問も出てはいる
らしいのだが、回答は返ってこない。日本で最初だという記念のものなのだか
ら、公開すれば来日している外国人にも日本の文化を知ってもらえる良い機会
になるのではないかと思う。
 
  「さるかに合戦」で猿がかにの分の柿まで独占したように、日本にある様
々ないわくつきの場所は建てた人たちの間だけで立ち入ったり手を加えたりし
てしまっているが、それでは何のためにこの場所を造ったんだと言いたくなる
 
  建造物を何から何まで立ち入り可能にすればいいわけではない。遠くから
でしか眺められない建物や景色を見て、建てられた当時を想像したり、あるい
はその建造物の中がどのようになっているのかを想像してみるのもなかなか味
わいがあるのではないだろうか。けれども、「宝の持ち腐れ」といわれるよう
に、名所という宝の持つ雰囲気を一人でも多くの人が満喫出来るようにしなけ
ればやはりもったいない。大切なことは、人間と場所、つまり自然との一体化
ではないかと思う。