| ひとこと | (7月3週) | 
| 「規則と自由」 | 
| アジサイ | の | 滝 | の広場 | 
| さやか | / | あおべ | 中3 | 
| 「規則と自由とどっちがいいか」と言えば、ほとんどの人は「自由」と答え | 
| るだろう。もちろん私もそう答える。しかし規則とはどこからどこまでのこと | 
| を言い、自由とはどこからどこまでの範囲のことを言うのだろうか。世の中に | 
| は規則なんてものはありふれているが、私たちの身近な例で言えば「校則」が | 
| 挙げられるだろう。私の学校の校則はごく一般的なものであるが、例えば「我 | 
| が校の生徒として恥ずかしくないような態度や格好をすること。」「髪の毛の | 
| ゴムは黒又は紺にすること。又、髪の毛が肩についたら二つに結わくこと、一 | 
| つ結びはいけない」などである。しかし実際に生徒がこの規則をきちんと守っ | 
| ているかどうかと言えば、それは絶対に無いということは確かである。世の中 | 
| にある規則は、「人を殺したり、罪を犯したりした場合は、その償いをしなけ | 
| ればならない。」などであるが、これはほとんどの人がしていることであり、 | 
| 皆が守っている。殺人と校則を破るのではもちろん同じ罪で無いことは確かで | 
| はあるが、しかしどうして学校の規則を生徒達が守らないのかといえばそれは | 
| 、どうしてそうしてはいけないのか理由が分からないからである。例えば、「 | 
| どうして髪の毛を一つに結わいてはいけないのか。」。先生に言えば、「我が | 
| 校の規則を守れない人は学校を辞めていただくしかありません。」という。そ | 
| んな様にすぐに片づけられてしまってはなにがなんだかわからない。規則とい | 
| うのは基準、わけ、があって始めてつくられるものである。 | 
| さて、自由とはどのようなことであるか。日本国憲法では人間には自由権 | 
| がありその「自由権は公共の福祉に反しないかぎり最大限に尊重される」とあ | 
| る。憲法ではそう書かれているが、これではあまりにも抽象的すぎてよくわか | 
| らない。昔話に「かさ地蔵」と言う話がある。かさを売って暮らしている貧乏 | 
| なおじいさんとおばあさんがいて、おじいさんはお正月の前の雪の降る晩に雪 | 
| まみれになったおじぞうさんにかさをかけてあげた。そうしたら、その夜にお | 
| じぞうさんがお正月のもちなど豪華なものをもってきてくれたという話である | 
| が、これは一般的な生活をしないでかさを売っていた貧しい夫婦が一般常識に | 
| 流されることなくおじぞうさんにかさをあげて、良い結果を得たということで | 
| ある。規則に流されることなく、自分の思う道を進むことが自由であり、又、 | 
| 自由とは決して自分勝手という意味ではない。 | 
| 規則と自由というのは、一見正反対に見えるが、よくよく考えてみると全 | 
| て人間が常識を基準としてかんがえたものであると言う面で似ているとも言え | 
| る。「英雄が歴史を作るのではなく、歴史が英雄を作る。」と言う言葉がある | 
| ように「規則と自由」によって自分を作るのではなく、自分自身の判断によっ | 
| て、「規則と自由」を作り、判断しなければならない。 |